古家博司「はたらく姿に学ぶ仕事日記 思い出乗せて東へ西へ 新幹線車掌」(A5判、全124ページ、あいうえお館1984年1月10日発行、定価1200円)
子供に色々な職業を知ってもらおうとのシリーズの1冊で、元新幹線車掌を著者にして、新幹線車掌業務について、車掌の一人称で語られたもの。主な話は、乗客からのクレーム対応と、台風で列車が遅れた時に車掌が取った行動について。鉄道書としては、台風のせいで上り線が土砂崩れで不通となり、乗客対応に追われる中で、NHKのラジオを車内放送を通して流したり、駅間で止まったままの車両の横に下り列車を停めて、渡り板で乗客に移動してもらう、との場面が面白かったが、本書だけなのか、シリーズを通してなのか、なるべく現場の雰囲気を知ってもらおうと、良い面だけでなく悪い面も書いているので、一読すると、それはギャグで言っているのか、と思える話も出てくる。車内で花札賭博をしている乗客を現行犯逮捕したなんてのはまだしも、p117「だいぶ前に、販売員の娘が車内で、直接交際を申しこまれ、ウハウハで住所・氏名を教えたことがありました。なんと、その青年は、水商売関係の引き抜き屋だったのです」なんてのは、これを読んだ子供が「お父さん、水商売って何?」と聞いたりしないか心配になってくるし、その他にも、就職試験に向かう女性が間違えて逆方面への列車に乗ってしまい、特別に臨時停車しました、とか言うのかと思ったら結局そのままで、最後にはp21「結局、彼女は、下車のさいにも一人で立てないほどでした。駅の職員二人に支えられて下車しました」とドSっぷりを発揮したり、ドレスにコーヒーをこぼしてしまった女性に代わって服を洗ってあげて、p53「おそらく、下着もしみていたのではないかと思いましたが、まさかそこまではめんどうはみきれません」と下ネタで落としたりと、ある意味凄い本になっている。