文:フィオーナ=マクドナルド、画:ジョン=ジェイムズ「三省堂図解ライブラリー 19世紀の鉄道駅」(A4判、全48ページ、三省堂1993年7月1日発行、定価2200円)
巻末に、訳者の一人である小池滋による19世紀の鉄道概略が記されているのだが、ゲージに関する話と豪華寝台客車プルマンカーに関する話が主で、全体像の解説とはなっていないのが物足りないところ。原書に関する解説は全くなく、巻頭の著作権表示で原書が1990年発行とは分かるのだが、この絵本っぽい本書の原書が、向こうでも子供向け絵本として扱われたのか、それとも大人向けの入門書なのか分からないのも片手落ち。鉄道開業初期の駅を、建築物や駅で働く人、鉄道を利用する乗客などから解説したもので、基本的には大昔の鉄道と言ったところだが、まだ食堂車が無く駅構内の食堂で食事を済ませる人や、都市で働く労働者に向けて行楽列車が走ったとか、荷物持ちを何人も従えた上流階級が旅立つ風景など、19世紀ならではの風景もあり眺めていて時代を感じさせられるものもある。