AERAMook「震災と鉄道全記録」(A4判、全162ページ、朝日新聞出版2011年9月5日発行、定価1600円)
2011年3月11日に発生した東日本大震災により被害を受けた、東北地方の各路線・各駅の現状を写真と文章で紹介した記事が主な内容となっており、その他、朝日新聞系列ということで、かつて起こった鉄道が関係する震災関連の記事を掲載したものや、震災時の首都圏鉄道の状況や東北新幹線の地震に対しての停止状況などの記事も掲載されている。
その被害規模が甚大なため、半年を経た現在でも大きな傷跡を残しており、本書でも、事故後数ヶ月後でも痛々しい状況が掲載されており、被害状況を物語る資料としては妥当なものになっている。
ただ、感傷的なまとめになっていたり、首都圏への想定外の津波予想など、不安を煽るような記事もあったりで、今回の震災から何を学ぶべきか、とまでは至っていない。本書では、阪神大震災と中越沖地震についても触れられているが、阪神大震災によって新幹線の耐震強度見直しがあったことで、中越沖地震は直下型だったにもかかわらず、阪神大震災のような橋桁崩落事故が無かったことなど、いわゆる失敗学を取り入れた記述が欲しかった。