上川庄二郎「汽車の詩 国鉄全線乗りある記」(B6判、全327ページ、神戸新聞出版センター1986年11月1日発行、定価1200円)
出版時期から言って、宮脇俊三「時刻表2万キロ」に影響されたかと思ったのだが、ぱらぱらと目を通してみた限り、宮脇に関する言及は無く、むしろ内田百けんをリスペクトしているよう。中身としては、アマチュアが書いた、メモを文章にしたようなもので、読み物としては物足りない。なお、巻頭に著者の考える完乗条件として「一 すべてのブルートレイン、特急を完乗(始発駅から終着駅まで乗り通す)すること/二 全国を各駅停車で乗り通すこと/三 機関車牽引客車列車の走る線は、その列車を完乗すること/四 日の出から日没までの明るい時間帯に乗ること/五 四季折々の美しい自然や風物に接して目の保養をし、心の糧とすること/六 その土地の風土や歴史を少しでも知る努力をすること」とあり、完乗の定義はひとそれぞれなのだな、と思う。