中嶋茂夫「山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか?」(B6判、全223ページ、洋泉社2010年10月9日発行、定価1400円)
目次
1山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか(p16)
2トワイライトエクスプレスのスイートが2部屋しかない理由(p38)
3大阪環状線に40年前の車両が走っているワケ(p86)
4東海道新幹線を最安値で利用する方法(p118)
5なぜ回数券や割引切符の種類がやたら多いのか(p146)
6Suica、ICOCAの普及をJRが進める理由(p176)
JRを収益の観点から、鉄道マニア向けに見た作品。著者はインターネットコンサルタントと、JRの部外者であるため、公開情報のみから、収益に関して、このようなことが言えて、それゆえJRはこのような運営をしているのだ、との解説がなされている。表題にある新幹線の儲けに関して、その費用をJR東海の全費用に占める新幹線の路線長割合としているため、広告費などは実際より低く見積もられていることになるだろうが、公開情報だけとの制約からすれば、仕方がないか。読み物的な要素を出すために、経済雑誌の鉄道特集のような、突っ込んだ収益制度に関する記述(東北縦貫線開通による車両運用コストの削減や車両基地の縮小化など)が無いのが物足りないが、単なるマニア的観点とは違った見方を示してくれる、思考の幅を広げてくれる本。