堤哲「国鉄スワローズ1950ー1964 400勝投手と愛すべき万年Bクラス球団」(新書判、全269ページ、交通新聞社新書2010年8月15日発行、定価840円)
目次
第一章 国鉄スワローズ誕生(p14)
第二章 シーズン開幕(p48)
第三章 金田正一入団(p74)
第四章 金田と国鉄の”黄金時代”(p112)
第五章 国鉄応援団とスター選手たち(p146)
第六章 国鉄野球の130年(p172)
本書は、「ベースボールロジー7」に発表した「加賀山之雄~西垣徳雄~金田正一「国鉄スワローズ」誕生の人脈秘話」を元に、全面的に書き改めたもので、著者は毎日新聞でスポーツや鉄道を担当したとのことで、本書を書くには適切な人材と言える。内容の方は、鉄道が好きだった加賀山之雄国鉄総裁を中心とした国鉄スワローズの誕生から、そこで活躍した選手の成績、そして国鉄スワローズの歴史の中で光る金田正一を取り上げ、さらには国鉄やJRの社会人野球の歴史について触れたもの。どちらかと言えば、鉄道よりもスポーツに関する書籍と言ったところで、鉄道そのものに関する記述はあまり多くなく(と言っても、国鉄スワローズがプロ野球に加入するに当たって、他球団に移動用の特別列車を仕立てるとしたとか、武蔵野グリーンパーク球場への引き込み線など、国鉄スワローズならではのエピソードも記されている)、鉄道書としては物足りないが、国鉄が赤字を出した翌年に無くなった球団の、そこで活躍したプロ野球選手や裏方の存在を知るには、格好の著と言える。