釧路8:15-10:40根室12:24-12:26東根室-(徒歩)-根室13:50-16:13釧路17:05-(連絡バス)-18:00釧路空港20:20-22:05羽田空港22:45-(連絡バス)-23:35蘇我
4時30分頃に目が覚めると、さすがは釧路だけあって朝が早く、外はもう明るい。昨夜の天気予報では夜から未明に掛けて天気が荒れると言っていたが、どうやら過ぎ去ったようで、日差しも見える。
霧の中を歩いて7時45分頃に駅に着くと、改札上の電光掲示板には、8時15分発根室行きの改札はすでに行われているとのことなので、改札を通ってエスカレーターで地下通路へ出て、階段を上って4番線へ。ステンレス製のキハ54で、車内は転換式クロスシート、冷房はついてなく、窓は二重のうち、外側が閉められていた。乗客は少なく、3割ほどと言ったところ。
8時15分発、隣の東釧路で釧網本線と分かれて、民家が並ぶ中を、北海道の路線としては小刻みに並ぶ駅へと停車していく。
武佐駅で、小学生の団体が30人ぐらい乗ってくるのだが、ローカル線のためか、あまり車内ではしゃぐこともなく静かなもの。
隣の別保駅から先は、しばらく駅は無く、車窓には岡、原生林、湿原と北海道らしい光景がちりばめられている。函館本線山線のような、荒々しさは無いが、荒涼感が漂っている。
小学生の団体は、尾幌で下車して、再び車内の客数は少なくなる。
門静駅を出て、右に厚岸湾が見え、厚岸を出ると、右側には、これまでの湿原よりも、底深い感じのする湿原が広がる。桜の下には人が埋まっている、というが、それならば、この湿原には何百人が埋まっていることか、と想像して、ぞっとする。
姉別を出ると、牧場が見えてきて、内陸に入ったのを感じさせられ、続けて原野が現れる。
別当賀駅を出てしばらくすると、右に太平洋が見えるのだが、その手前には霧にかすむ草原が見える。どことなく、北欧を連想させる光景だ。
根室半島に入り、日本最東端の東根室駅に到着する。この駅には後で下車することになっているのだが、見るとホームのみで、待合室が無い。下車と乗車の両方をしようと、東根室で降りてから、次の列車を待つつもりだったのだが、霧深いこの天気の中では、根室まで歩くしか無いようだ。
左へとカーブして、根室駅へと到着。まずは改札で、途中下車印を押してもらうのだが、駅員が「あまり良い出来ではないですよ」と言った通り、紫の楕円の中に、ごちゃごちゃしたものが2つ並んでいるだけで、とても根室とは読めない。それから、窓口に行き、根室から東根室までの切符はあるかと聞いたら、あるというので求めてみたのだが、硬券ではなく、マルスによる発券だった。まあ自分はこれでも良いが、硬券ではないけど良いですか、と聞いてくるべきだろう。旅の最後に来て、どうも期待はずれが続く。
待合室に座って、ポメラでここまでの日記を書く。窓口は有人だし、売店もあったりするのだが、釧路行きの改札が出たあとの待合室には、自分ひとりがぽつんと座っている状態になってしまった。
日記を書き終えた後、駅前の大通りを歩いて、ニューモンブランという店に入って、エスカロップなるものを注文する。この料理、インターネットで釧路の食事を調べたら出てきた、バター炒めライスの上にカツを乗せ、デミグラスソースをかけたもので、根室のこの店が発祥とのこと。
店内に入って、店内の壁に貼られていた、この料理が新聞に取り上げられました的なものを指さしながら、エスカロップを、と注文する。
しばらくして出てきたものは、その仕組みの通りの味だった。いつもだったら週末は神保町のいもやでとんかつ定食を食べているのだがなあ、と思う。
駅に戻って、駅舎と線路終端の写真を撮る。線路終端の方は、下車する際に撮り忘れていたのだが、ホームと終端の間に、キハ54が停車していて、終端を写真に納めるには、駅を出て、駅舎の左隣にある駐車場の中へと歩いていかなければならず、手間が省けた。
しばらくして駅員が改札のドアを開けて、改札が始まった。さっき買った、根室~東根室間の切符にスタンプ入鋏してもらい、ホームに停車しているキハ54に乗り込む。形式はさっきと同じものだが、こちらは椅子が固定されており、車両中央を挟んで見合う形になっている。
東根室からの歩き道を探そうと、進行右側の座席を確保して、列車は定時に出発した。
右へカーブしてからまっすぐ進み、東根室の車内放送があったので、運転席後ろのデッキへと向かう。
列車が停止して、北海道&東日本パスを運転手に見せて、ホームへと降り立つ。
列車が走り去っていくのを見送ってから、まずはホームに立てられている、駅名票と「日本最東端の駅」のモニュメントを写真に納める。ホームは、小高いところに作られており、下り階段があったので、それを降りようとすると、下の狭いスペースに木製の椅子が備えられている。それだけだったら良いのだが、秘境駅と言って良いほどの無人駅だと言うのに、中学生ぐらいの女の子が座っている。今の列車で降りた訳でもなく、次の列車は上り下りともに当分先なのだが、なぜこんなところに座っているのだろう。そんな彼女の隣に座って、次の列車を待つのは気が引ける。もしかしたら、家にいられない事情があり、今日は私を滅茶苦茶にして、と目に涙を浮かべ、股間に秘境液を滴らせながら迫られたら困るし、そういうことを妄想しているのを、その光景を目撃した現地の人が警察に通報するかもしれない。
仕方がないので、辺りを見回すと、小さなバス停のようなものがあった。あれが待合い所なのかと近づいてみると、線路の下をくぐる通路だった。この下で霧雨をしのいで次の列車を待つ手もあるが、通路の入り口には「痴漢に注意」の看板があるので、その光景を目撃した現地の人が警察に通報するかもしれない。
仕方がないので、その通路をくぐって、根室駅へと歩くことにした。東根室から根室駅まで歩けるような道があることは、旅行前にネットで調べてあるのでたどり着けないことはないが、印刷してきた訳ではないので、なるべく右と前へ進むように歩いていく。途中、線路があって道路が行き止まりになっていて、線路を渡らないでください、との看板があったので、これは渡れとの振りかと思ったが、素直に看板に従って引き返す。その際に、近くに踏切が見えたので、そこまで歩いて踏切を渡り、右へと曲がってさらに歩き、液が見えてきたところで駐車場を横切って、どうにか根室駅へとたどり着いた。時計を見たら12時50分だったから、20分以上歩いたことになるが、さほどではなかったのは、玄関が二重になっているなど、北海道の民家ならではの光景を見ながらだったのと、さっき書いた秘境液のネタを考えていたからだろう。
待合室で座っているうちに、改札のドアが開き、釧路からの列車がやってきた。そのまま列車に乗れるかと思っていたら、ドアが再び閉められたので、やはり時間厳守の改札のようだ。
出発の10分前になったところで、ようやく改札が始まった。今回もキハ54の1両で、椅子は転換式だったため、進行左の海側を確保する。
13時50分、北海道旅行最後となる列車が駅を出た。さっきの繰り返しをするように右に曲がってまっすぐ進むと、東根室駅前に観光バスが停車していて、狭いホームには団体旅行らしきシニア層が30人ぐらいいる。さらには、並んでいる人の合間から、さっき見かけたホーム下の椅子に座っていた女の子は、まさかもういないだろうと思ったら、まだいた。おそらく、団体客も不審に思ったことだろう。
団体客のおかげで、まばらだった座席はほぼ埋まり、最後の旅を味わうには雑多な雰囲気になってしまった。まあ、団体旅行に、こうやって鉄道旅行が組み込まれるのは、鉄道会社としてはありがたいことだろうから、良しとしておこう、と上から目線で思ったりする。
その団体客は、厚床で下車していった。駅前には観光バスが止まっているから、あれに乗るのだろう。JRにしてみれば、おいしいところだけ持っていかれた、と言ったところか。
コンビニ弁当の夕食後、釧路空港行きのバス乗り場を探そうと、駅前のバス乗り場に行ってみるのだが、見あたらない。近くに、バス乗り場奥に総合案内所みたいなものがあったので、そこに行ってみると、自動券売機に釧路行きのものもあり、カウンター前の8番から出るとのこと。
事前に検索していた日程では、17時35分発となっていたのだが、案内を見ると、17時5分があってその次は17時55分なので、17時5分のものに乗車することに。
切符を購入し、駅の構内にあった古本屋に立ち寄るが収穫は無く、バスの待合室に行って、空港行きのバスを待つ。
買った切符には運転手に見せて運賃箱に入れてくれとあり、その運転手が運転席ではなくドアのところに居たので、この切符は運賃箱に入れるのか、と聞いてみたら、降りる際に入れてくれ、とのことだった。続けて「テンコーチョーサチュー」だと言ってきた。何のことかわからないので聞いてみると、「天候調査中」のため飛行機が飛べるか調べていて飛ばないかもしれない、と物騒なことを言ってくる。確かに、昨日の夜にホテルで見たニュースでは、釧路発千歳空港行きの便が欠航になったと言っていたが、羽田空港行きは問題なかったので、昨日が無事ならば今日も大丈夫だろう、と昨日思ったものだった。
数人の客を乗せて、バスは釧路駅を出発。途中、やけに駐車場が広い建物がいくつも並んでいて、鉄道の線路からは見えない、北海道のモータリゼーションを実感する。
釧路空港に到着し、予約番号などを印刷したものを渡し、あわせてネットで決済時に使ったクレジットカードも渡して、チケットを発行してもらう。羽田行きは天候調査中とは言われなかったが、羽田空港が混雑しているので、出発が遅れるかもしれない、と言われる。まあ、飛ばないよりかはましか。
久しぶりに手にした飛行機のチケットは、二次元バーコードが記されたもので、二階に上がって、荷物検査の際に、バーコードリーダーにかざしてから、鞄からパソコンを取り出したり、財布などを出したりしてから、ボディチェックを通過する。どうもこういう時には緊張していけない。
搭乗待合室に行くと、やけにがらんとしている。まあ、出発が20時20分と、まだ2時間以上もあるのだからこんなものか。
今回、1000円を奮発してクラスJというシートにしたので、こういう時はVIP待遇で、高級クラスの待合室でも使えるかと思っていたのだが、そもそもそういうものが無かった。
待合室に座っている途中、アナウンスがあって、ANAの千歳行きは、千歳空港が天候不良の場合、釧路空港の天気が悪いため、羽田空港に行くかもしれない、と言う。JRでは考えられないことで、なるほどJR北海道が都市間輸送にスピードアップを図るのも納得できる。
そのうちに搭乗客が集まってきて、20時20分発の羽田行きは、10分遅れての出発とのアナウンスがあってから、搭乗となった。
機内に入って、さっそくクラスJの座席に座る。確かに、座席は大きくゆったりしたものなのだが、その分、座っている人が貧相に見えないか心配。
機内では「五代ゆう&榊一郎の小説指南」読む。
そのうちに、飛行機がやけにゆっくりと動いて、離陸体勢を整え、一気に加速して斜め上向かいになる。どうもこの感覚には未だに慣れない。
読書をしているうちに、シートベルトを締めてくれ、とのアナウンスがあったので、外を見てみると、眼下いっぱいに、大小合わせて無数の光が点灯している。東京上空なのだろうが、暗いせいもあって、どこがどこだか分からない。しばらく見ていると、四角い建物型をそのままライトアップした建物があって、あれがディズニーランドかな、と思う。飛行機はそのまま進むと、海上へ出て、海には東京アクアラインの細い線だけが横に伸びていたから、やはりさっきの勘は当たっていたようだ。してみると、わが家の上空近辺を痛快したことになる。バスだったら、近所で降ろしてくれるのに、これだから飛行機は融通が利かなくていけない。
羽田空港に到着。広い構内を、飛行機にしてはすばやくうろうろと移動して、ターミナルへ。
蘇我行きのバスへと乗車し、東京アクアラインを渡り終えるまでは夜景を眺める。夜の自動車が少ない時間帯とあってか、蘇我駅には定刻より10分早い23時35分に到着。