札幌6:58-8:35滝川9:37-17:39釧路


今日乗る列車は2本だけとなっている。ただ、そのうちの1本は、営業キロ308.4キロ、所要時間8時間2分と、定期普通列車としては日本最長となっている。距離から言えば、臨時列車のムーンライトながらの方が長いのだが、昼間に8時間も走るのだから、相当なもの。
まずは札幌駅へ。滝川行きの快速列車が出る10番線ホームに立つと、隣の9番線に学園都市線の列車が停まっているため、構内は見渡せない。通勤用の電車や、北海道の各地へ向かうディーゼル特急など、札幌駅の喧騒ぶりを見たかったが、まあ仕方がない。
3両編成の711系に乗り込む。1、3号車は3ドアになっていて、真ん中のドアにも車内のドア越しにデッキが見えるのは、冬季対策の北海道ならではの仕組み。転換式クロスシートの車内はほぼ満席となり、格好からすると旅行者が多いよう。
6時58分、札幌発。しばらくは複々線となっており、さっそくディーゼル特急に抜かれてしまった。
白石駅を過ぎて、複々線が左右へと複線ずつに分かれていくのを見てから、さっそく居眠りをしてしまう。まあこれは、滝川から乗る最長列車の存在感を高めるための戦略的な居眠りということで。
滝川駅に到着。改札で途中下車印を押してもらう。最長列車の出発までにはまだ1時間ほど時間があるので、待合室に座って、ぼんやりとする。
9時20分頃に改札を抜けて1番線に行くと、かなりの人数が行列を作っている。富良野までは1両だけのはずなので、座れるかどうか心配だったが、座席はほぼ満席になるものの、先にボックスシートに座っていた人が方向を勘違いしてか進行逆側に座っていたので、その向かいに座って、進行右窓側を確保できた。
9時37分に滝川を出発。右へ曲がって函館本線と分かれて、1駅目の東滝川に到着したら、さっそく快速の待ち合わせでしばらく停車すると言う。走行時間も長いが、気も長い列車だ。
樹木と住宅が同居しているような光景を見ながら野花南駅を過ぎると、樹木のみとなったところで、トンネルへと入る。元々は近くを流れる空知川沿いを走っていたのだが、新線として長いトンネルに切り替わり、ひんやりとしたトンネルを出たら、窓の外側が曇ってしまった。
富良野駅に到着。ここで1両増結となるので、乗客が増えるのかと思ったら、旅行客の大半はここで下車してしまい、1ボックスに1人と言った割合になる。
出発までには時間があるので、増結場面を見ようとホームに立つと、富良野駅を舞台にした「北の国から」のテーマが流れていた。
富良野を出発すると、左右に山を見ながら、川沿いの平坦部を走る。山部駅の駅前には、伐採された木が積まれていて、普通の木だけでなく白樺も並んでいる。バス輸送の現在となっては、駅前にする必然性は無く、昔からの歴史でここに居残っているのだろうが、駅前にこういうスペースが未だに残らせておく余裕があるところが、さすがは北海道だ。
金山駅を出て、右の方に、ちらりとダムが見えてからトンネルへと入り、そこを抜けるとダムが作った、かなやま湖の湖面が左右に見える。
二つ隣の幾寅駅は、映画「鉄道員」の撮影場所となった駅で、車内から見ると、駅前にはセットの一部が残っていて、国鉄色のディーゼルカーの先頭部分も置かれている。
だんだんと山中へと入っていき、まわりの樹木は、白樺にトドマツが混じるようになる。縦に細長い樹木が並ぶ様は、高原を走っているのだな、と思わされる。
落合駅に停車。向かいのホームにはキハ40が停車していて、前面にはトンボが何匹か停まっていて、夏を思わせる。
向こうの列車が出発してからも、対向列車待ちでしばらく停車との案内があり、時刻表を見たのだが、それらしい列車は無い。結局、列車が来ることなしに出発となった。隣の上落合信号所からは石勝線と合流するので、そのための停車だったのか。
その石勝線と合流するのを見ようと、右側を見ていたのだが、見当たらないうちにトンネルに入り、その中にある上落合信号所を通過した。
この付近は、かつては日本三大車窓と言われた狩勝峠あったのだが、今は新線へと切り替わってしまい、長いトンネルを、下り坂に勢いを任せるように、スピードを出して列車は走っていく。
下りのS字カーブを降りて、新得駅に到着。駅を出ると、名前をなんと言うのか知らないが、牧草を丸めて円柱型にしたものが並んでいて、北海道ならではの光景。
隣の十勝清水駅で、制服やジャージ姿の高校生が20人ぐらい乗り込んでくる。部活の帰りだろうか。夏休みなのにご苦労なことだ。
駅を出ると、平野川信号所で対向列車の待ち合わせをする。駅ではなく信号所での待ち合わせも北海道ならではで、山中で列車が停止してしまったようにも思える。退避線に停車しているのだが、列車が、微妙に向かいの線路側に傾いている。停車することを前提とした線路なのだから、平坦にするべきだと思うのだが、対向列車通過の際に起こる風圧対策だろうか。
汽笛が聞こえ、ディーゼル特急が轟々と走り抜けていく。信号所なので、出発の案内も無しに、ディーゼルカーは再び走り出す。
帯広貨物駅に着いたら、列車が停車した。信号所でもないのに停車することもあるのか、と思っていたら、運転席から運転手が降りていき、近くにあった帯広運転所の建物へと歩いていった。普通だったら大きな駅での交換となると思うのだが、ずいぶんとおおざっぱな交換の仕方だ。
まもなく帯広となったところで、いきなり高層ビル群が現れ、高架の帯広駅へと到着。まるで、独立都市にでも入ったかのようだ。
列車は2番線に停車し、向かいの1番線には池田行きの列車が停車している。同じ方向への列車があるのなら、この列車がそのまま走った方が良いと思うのだが、車両数が乏しく線路が長い根室本線ならではの運用なのだろう。
帯広では30分以上停車するので、その合間に改札を出て、帯広名物のぶた丼弁当を買おうと思ったのだが、石灰で暖めるタイプなので1200円と高く、さらに売店に売り子の姿がなかったので、近くのコンビニで菓子パンと、駅弁売店でぶた丼の横にあった、「ぶた八の炭焼豚どんにぎりっ子」という、醤油で味付けしたご飯を豚肉で包んだものを買い、列車に戻って食べる。その途中、北海道&東日本パスを自動改札に通したら、ちゃんと認識されたので、どういう記録状態になっているのだろうかと思う。
帯広を出ると、車窓は林と甜菜畑が主になってくる。甜菜からは砂糖が作られる訳だが、沖縄でサトウキビが作られる一方で、北海道では甜菜が作られるとは、不思議な気もする。
浦幌駅では、上下線にキハ40が停車したまま、しばらく時間が経った。変わった時間調整の方法だが、さっき通った駅では、対向列車の特急が5分遅れと言っていたので、その影響なのかもしれない。
トンネルを抜けて、上厚内駅を過ぎてしばらくしたら、右側に鹿がいた。先日は木古内で熊が見つかったとの放送があったが、こうやって列車の中から野生の動物を見るのは初めて。なるほど北海道だ。
厚内駅を出ると、右に太平洋が広がり、雨の中を荒れた波がテトラポッドに打ち付けられるのが見て取れる。晴れていれば、広々とした光景が見られるはずなのだが。その分、車窓に見える湿原は、鬱蒼とした感じを強めていた。
途中、尺別駅で、国鉄色のキハ40とすれ違ったので、写真を撮る。第二、第四土曜日は、この車両が滝川~釧路間を走ることになっており、できればそれに乗りたかったのだが、日程の関係と、混雑を避けて、今日の乗車となった次第。
大楽毛駅で、12分停車と言う。都会の生活で12分同じ場所にじっとしていろと言われたら、かなり長時間に感じるだろうが、ここまでずっとこの列車に乗ってきていると、その12分も短く感じられた。
釧路駅に到着。改札へはエスカレーターと地下通路で移動して、改札へ行き、途中下車印を押してもらい、滝川~釧路間を完全乗車した客に配られる「2429D完全乗車証明書」をもらう。
少し雨が降っているのだが、目指すホテルオーシャンは駅からすぐ見える場所にあったので、傘を差さずにホテルへと駆け込む。
部屋に入り、テレビを付けると、天気予報で北海道各地で大雨、函館本線も一部区間不通とのことで、今回の旅は雨ばかりだが、最悪は避けられたと言ったところか。