ジャンルとしては、落語鉄、とでもなるか。

落語家、古今亭駒次の自作落語「鉄道戦国絵巻」がhttp://blog.fujitv.co.jp/yose/E20100304002.html で2010年4月1日まで公開されている。

内容としては、鉄道路線擬人化とでも言ったところで、東急東横線がJRに寝返り、それを巡って、JRと私鉄連合が対立する、というもの。


以下は、去年の6月に、三遊亭天どんが講師をしている「新・落語作家への道」で、駒次がゲストに来て「鉄道戦国絵巻」を演じ、どういう風にこの作品を作ったのかの解説。ネタバレを含むので、聞き終えてから読んで欲しい。


・ネタ下ろしは、去年2月の「無限落語」で。開演日間近になってもなかなかネタが思い浮かばず、色々と考えているうちに、東急の中でも軽い扱いになっている池上線をネタに出来ないかと思いつく。
・最初は、池上線が他の路線にいじめられているのを助けられて恩返しをする、としようと思ったが、他の路線を個別に扱えないため、戦いものとした。
・演じるに当たっては、濃いキャラ付けをした路線別の演出はせず。
・固有名詞の力と量で受けている。
・冒頭の「社長、大変です」は、お客さんの気を引くフレーズとして、この噺に限らず何にでも使える。
・情報は調べすぎず、お客さんにおぼろげに浮かんでくるものを扱う。
・この噺では、鉄道路線が戦いをするというおかしい状況だが、それに誰もツッコミを入れず、それに呼応していく形で噺を進めていくものとした。
・東急各路線のキャラ付けとしては、
田園都市線→長男、東横線→裏切った嫌な奴、大井町線→逃げる、目黒線・多摩川線→元は目蒲線ということで姉妹、子供の国線・世田谷線→田園都市線に従う、池上線→噺の主役
・東急以外にどの路線を持ってくるかは、JRと駅が離れているということで、西武と京成に決めた。京王線は路線のキャラが立ってなかったので入れず。丸ノ内線末端の中野坂上駅~方南町駅間は、列車はまばらで3両編成というのは入れたかった。
・最後に登場する、ひかりの君(きみ)は、ネタ下ろしの時には武士言葉だったが、百栄師匠から、公家口調にした方が良いと言われて変更した。
・最後に、語り口調で噺をまとめると、サゲが思い浮かばない時に便利。
・路線が戦う設定を広げて、南関東と北関東が戦い、高崎線などを封鎖するが、八高線などの裏道から抜けられてしまうという噺も作ったが、あまり受けず。
・他に鉄道ネタとしては、戦国絵巻のJR版というのも考えてみたことがある。
・質問ということで、京成・西武らと戦っているのはJR東日本だと思うのだが、最後に出てくるのはJR東海の新幹線ひかり号というのはおかしくないか、と聞いてみたら、それは考えたことも指摘されたこともなかったとのこと。この噺に対する指摘としては、「日本にはリニアモーターカーがあるからTGVより速いじゃないか」(←柳家○ゑん師匠の口調で)と言われたことはあるそうな。