片岡豊「近代日本の社会と交通7鉄道企業と証券市場」(A5判、全187ページ、日本経済評論社2006年12月15日発行、定価2500円)
目次
第1章 株式会社の展開と鉄道企業(p1)
第2章 証券市場の展開(p23)
第3章 鉄道業における株式投資収益率(p65)
第4章 株主と株式移動(p107)
第5章 鉄道企業の経営と資金調達(p133)
第6章 鉄道企業の合併と株主総会(p157)
日本初の私鉄である鉄道の開業の時期から、鉄道国有化が行われた1905年までの時代に行われた、鉄道への投資状況を、調達方法から利益率、吸収合併など、様々な観点から述べたもの。面白いのは、第3章でのまとめとして、投資の観点からして、鉄道は必ずしも有利なものではなく、国有化という安全弁があったものの、仮説としてp102「投資対象の短期的な収益よりは長期的な判断が優先されるであろう。そのとき、当時の代表的な近代産業であった鉄道が恰好の投資対象として選択されたことは自然の成り行きであったはずである」とまとめていること。鉄道は近代文明の象徴と言われるが、こういう観点からそれが示されるというのは、当時の時代雰囲気を考える上の良い材料となる。