ポツリポツリとした投稿になったので

かなり長い時間をかけ かなり長い文章で 

父との短すぎる闘病生活の話を書きました。


私の中で忘れたくない大切な時間だったので

どうしても残しておきたくて書いたけど

読んでいて楽しくもないし…

ゴメンネ😉


あまりにも短すぎて もっと一緒にいたい

もっと介護したかった…と思うけど

もしかしたら短かったからそう思えるだけで

きっと本当に長い介護生活になれば

疲れたり 不満を持ったり イライラしたり

こんなにいい顔ばかりできなかったでしょう。


毎日 たくさんの人が亡くなって

それぞれの最期の時があるのだけど 

父の最後は そのどの人より

間違いなく幸せな最後だったとおもってます。


その時は 突然来るかもしれないと

訪問医の先生は言っていたけど

本当に 突然でした。


点滴の量が減って 父の元気がなくなって

できるだけ実家にいるようにしました。

協力してくれた夫や子供達には感謝です。


モルヒネを入れる少し前から

弱っていく父をみながら

『本当に父の亡くなる時は近いのかも

 もしも夜 母しかいない時に亡くなったら

 母は大丈夫だろうか…』

と思うようになり 

妹が夜勤のときだけでなく 

準夜勤の時も私は実家に泊まる事にしました。


父が亡くなったのは 

ちょうど妹が準夜勤の時でした。


私も母も爆睡してて気が付かなかったけど

妹は 朝4時過ぎに帰ってきて

父の顔を見に来たそうです。 

その時 父は静かに眠っていたそうです。


もうすぐ朝の5時ってくらいの時

私は父に名前を呼ばれて目を覚ましました。


『どうした?…足 さすろうか?』

父が私を呼ぶ時は だいたい足が痛いとかで

さすってほしい…って事が多かったので

私がベットの足下に行って さすると

『お茶』

って。


私はすぐそばにいる母に

『母さん 父さんお茶だって』

と言うと 母は起き上がり

台所に行き 急須で父の好きな お茶を入れ

冷ましながら とろみをつけて持ってくると

『ごめんね 頭あげるね』と

誤嚥しないようにベッドの頭をあげ

『部屋暑いから喉乾いたよね』

と言って 水差しに入れ お茶をあげました。


私は

『父さん!

 上向かず 顎引いて ゴックンだよ。

 たのむよ 誤嚥したら大変なんだから。

 ねぇ…ちゃんと ゴックンした?』

私が いつもなんだけど

結構しつこく言うと母が

『ちゃんと ゴックンってしたかって』

と父に聞くと 父は小さく頷いて

『した』と 言いました。


『もう一口飲む?』

母が言うと父は頷きました。


飲みたがったわりに 飲んだのは2口くらい。


『父さん ゴックンした?…ねぇ…

 ちゃんとゴックンしてね。わかった?』

と私がしつこく言うので 父は

『した』

と また小さく言いました。


『まだ飲む?』

母が聞くと首を振ったので水差しを置き

母は しばらく父の傍に座って 

父の顔を見ていました。

水分を取った後 痰が出る事があるので…


私は しばらく足をさすった後

『また さすってほしかったら呼んで』

と言って 母と2人

ベッドの横に敷いた敷布団の上に

壁に寄りかかって父の方を向いて座りました。


『父さん 誤嚥したら困るから

 しばらくベッドが上がったままだけど

 我満しててね』

そう言って 父の様子を見ながら

私は母と2人 

とりとめのない話をしていました。


母も私も 5時過ぎは もう起きている時間で

すっかり目も覚めて 眠たくもないので

『最近 床ずれも良くなったからか

 座ってても痛いって言わないね』

『モルヒネが効いてるだけじゃないの?』

『だとしても 座ってても痛がらずに

 静かに眠れるようになって良かったね』

そんな事も話しながら

穏やかに眠る父を見ながら談笑してました。


7時近くになって 流石に行動開始しないとと

私は私と母の布団を押し入れにしまいました。


母は 水差しを台所に置きに行きました。

私はトイレに行くと 部屋に戻った母の

『お父さん ベッド下げるね』

って声が聞こえてきました。


そして その後すぐ母の

『お父さん…お父さん』

と 何度も呼びかける声がしたあと

『(私)ちゃん!(私)ちゃん!

 お父さん 息してないかもしれない』

と…。


私は急いで妹を起こしに行き

妹は近くにあった 私の携帯のライトをつけ

父の瞳孔を確認した後

『お父さん 死んでしまってる…

 少し時間経ってるかな…』

と そして冷静に

『死亡確認してもらわなきゃいけないから

 母さん 訪問医の先生に電話して』

と言いました。


電話したあと母は父の所に戻り

『もしかしたら 私がお茶あげたからかな…』

とか言い出すから

『ゴックンした?って聞いたら 

 したって言ってたじゃん。

 いつ亡くなったか わかんないけど

 ずっと2人で父さんみてたけど

 いっこも苦しそうな声も顔もしなかったし』

って私が言っても 母はクヨクヨしてた。


妹は

『家族がみんな揃ってる日に

 姉ちゃんに足をさすってもらって

 母さんにお茶もらって

 2人に見守られて亡くなったんだよ。

 こんな幸せな死に方ないよ…絶対喜んでるよ。

 私も…一緒にいたかったなぁ…』って


私が 父の手を握ってみたら 

生きてるみたいに まだ温かくて

『母さん 父さんの手 温かい』

と言うと 母も父の手を握って

『お父さん…温かい』

と言った。


まだステージ2 の癌で

父は亡くなってたしまったけど

それが父に与えられた運命だとしても

きっと父は 幸せだったと思って

亡くなったのだと 私は信じます。