素人の私が歌集を読んで思ったことを、気ままに書きます。おそれ多いことやけど
「気まま」という便利な言葉に隠れます。
そもそも歌集を読むのは難しい。わかりにくい言葉や、理解しづらい状況もあるし。
でも、なんとか読んでいくうちに作者の思いや考え方が理解できたときはとても嬉しいです。
もし、あまりにも読み間違いがあれば、コメントでお教え下さい。
1回目は
千種創一(ちぐさ・そういち) 歌集 『千夜曳獏』(せんやえいばく)
令和2年5月 青磁社より 発行
この歌集には362首納めているらしい。それを何とか私の気に入ったのに搾って31首。それを泣きながらフルイにかけて……5首を選びました。どっこいしょっと。
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鳥がたまに花を食べるじゃないですか、あれ、めちゃうらやましいなと思う
(ライカ)そういえば、花って柔らかくておいしそうやね。めっちゃ話し言葉を上手に入れてはるなあ。
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レタスから雨がこぼれる、まだ何も知らなかったときの初夏の雨
(ライカ)水がこぼれるんじゃなくって雨がこぼれるんや~。レタスだけに、発想が新鮮すぎる。
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駅前に来て手をほどく、ほどかれる、朝日は正しすぎる暴力
(ライカ)他人にみつかってはいけない恋愛なんですね。朝日がま、まぶしいぃ。
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暗くした視聴覚室のカーテンに穴があいてるみたいな月だよ、こっち
(ライカ)こっちはぼんやりしたちっちゃな月なんやね、そっちはどうなんやろう、どこで月を見てるんやろう?
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心が心を求めつつ 濁流に魚は閉じるまぶたを持たず
(ライカ)水槽を眺めつつ思ってるのかな。人間は嫌なものを見たくなければ目をつぶれるけどね。でも前には進めないかも…。
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(ライカ)おまけにもう一首。たぶん歌集のタイトルはこの歌からかな↓
千夜も一夜も越えていくから、砂漠から獏を曳き連れあなたの川へ
(ライカ)表紙が薄紙でできていました。丁寧に扱わなくっちゃ。読み方もていねいに。
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著者は1988年 名古屋生まれ。中東在住。2015年第一歌集『砂丘律』上梓。同歌集で日本歌人クラブ新人賞、日本一行詩大賞新人賞。
ということで、若いっ。瑞々しい感性がうらやましい。いろんなもののたとえ方がおもしろい。
今回挙げてないけど、『…白い図書館になりたい』とか。
魚はそういえば、瞼はなかったんやって気づかされる。
じゃあ、めばちこ(ものもらいの方言?)にならへんの?
ぼーっとしたいときどーすんの?とかは、さかなクンに聞いてみよう
この歌集は、天満橋のN短歌教室の先生にお借りしました。
本日もお越しいただきありがとうございました。