新・人間革命 | 新生CELESTIAL BEING

新・人間革命

組織の中心幹部が強い求道の心をもち、成長し続けてこそ、後輩も成長していくし、組織も発展していくことができる。ゆえに、幹部自身が信心の啓発を受けていくための、依処となる“人”の存在が大切になる。その依処の根本となるのが“師”である。

 戸田城聖は、伊藤順次に語った。

 「君は、山本伸一に、しっかり、ついていきなさい。絶対に離れないことだ。そうすれば、最高の一生を送れるよ。私の心を本当に知っているのは伸一だ」

 伊藤は、戸田が、なぜ、“自分についてこい”ではなく、“伸一についていけ”と言うのか、わからなかった。

 しかし彼は、すぐに、未来のことを熟慮したうえでの、発言であることに気づいた。戸田の伸一に対する全幅の信頼を感じた。二人の、強い師弟の絆を見た思いがした。

 戸田は、念を押すように重ねて言った。

 「いろいろな幹部がいて、いろいろなことを言うかもしれないが、ついていくのは伸一だ。伸一がわかっていればいいとの思いで、進んでいきなさい」

 伊藤は、戸田の言葉を遺言の思いで聴き、目を潤ませながら元気な声で応えた。

 「はい。わかりました! 山本室長に、生涯、つき切ってまいります!」

 戸田の顔がほころんだ。

 「これで小樽も、厚田も大丈夫だな……」

 その二年後の一九六〇年(昭和三十五年)五月三日、伸一は第三代会長に就任する。

 その時、伊藤は思った。

 “戸田先生は、既にあの時、こうなることを確信され、私に指導してくださったんだ”

 戸田の言葉を深く胸に刻み、伊藤は、伸一と共に立った。そして、七〇年(同四十五年)十月には、北海道長となった。北の大地の隅々にまで、創価の師弟の精神を脈打たせようと、全力で奮闘した。

 しかし、七三年(同四十八年)春、本部幹部会に出席するため、東京に来ていて、宿舎で吐血して倒れ、緊急入院したのである。

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