第三話
「敗北者は誰だったのか ―― ニムバス・シュターゼンの戦争」
■ 蒼き死神と対峙した男
EXAMシステムの“原点”として語られる男、
ニムバス・シュターゼン。
彼は単なる敵パイロットではない。
むしろこの物語において、最も人間らしく、最も戦争に壊された存在だ。
ブルーディスティニーが「システムの暴走」だとするなら、
ニムバスは「人間の暴走」そのものだった。
■ イフリート改という機体の意味
ニムバスの搭乗機、イフリート改。
それは完成度の高い試作機でありながら、
決して“英雄のための機体”ではなかった。
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重装甲・高火力
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近接戦闘特化
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一撃必殺だが、長期戦に向かない
これはつまり、
「生き残るための兵器」ではなく「勝つためだけの兵器」。
EXAMが“敵を倒すために人を犠牲にする”システムなら、
イフリート改は“最初から人を使い潰す前提で設計された機体”だった。
■ ユウ・カジマとの決定的な違い
第二話で描いたユウ・カジマは、
EXAMに「使われながらも抗った兵士」だった。
一方ニムバスは違う。
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彼はEXAMを憎み
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連邦を呪い
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それでも戦場に戻ることをやめなかった
ニムバスはシステムに選ばれたのではない。
彼自身が“戦争を選び続けてしまった”男だ。
だからこそ、
彼は最後まで「自分が敗北者である」ことを認められなかった。
■ 敗北者は誰だったのか
ニムバスは敗北した。
イフリート改も失われた。
だが本当に敗北したのは誰なのか。
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人を道具にした開発者か
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システムに依存した軍か
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それとも、戦場から降りられなかった兵士か
EXAM三部作が突きつける答えは、
**「勝者など最初から存在しなかった」**という事実だ。
■ EXAM三部作の結び
EXAMは破壊された。
ブルーディスティニーも歴史の裏側へ消えた。
しかし、
“戦争を効率化しようとする思想”だけは今も残り続けている。
だからこの物語は、
一年戦争の外伝でありながら、
いつの時代にも通じる警告として読めるのだ。
今日は、ここまで。
それでは、また別のお話で。