サクラ咲クトキ…《第7話》 | 雷♪のまとまりない日記♪

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地元の人間にとって、この桜の木は特別だった。


そしてそれは、この3人にも同じ事だった。



「そんな…っ!!」

「桜の木を切るなんて…」



ここの皆がどれほどあの木を大切にしていたか、3人は知っていた。


そしてあの桜の木は…はなの本体。


人間の姿は仮の姿であり、はなはあの桜の木自身。

木がなくなってしまえば当然、はなも…。



「出て行けぇーッ!!」


住民側の反対を、スーツを着た男性が必死に説得する。


「今すぐ切るわけではありませんから…っ」



学校を経てる話は前から出ていた。

しかし木を切るという話が出てからは、なかなか計画が前に進まないでいた。



「今日はこの木を調べに来ただけです。」


専門家数名が同行し、桜の木の調査に来ていた。

木の側で何かをしていた作業着姿の男達が、こちらに向かって説明を始めた。



「この木の成長は…既に止まっています。」


「こんなに立派に立っているじゃないかッ!!」


住民の1人が怒声をあげた。


「しかしこの木自体は、もう枯れ始めているんですよ。」



中から…目には見えない所で、この木は枯れ始めているというのだ。



「おそらくこの数年間、この木の桜は咲いていないのでは…?」

「……っ。」


男の言葉に、住民達は黙ってしまった…。



「桜…咲いてないの?」


「たしかに…もう10年以上になる・・・・・。」



10年以上前から、この木の桜は咲いていないらしかった。



「このまま放っておいても、あとは朽ちていくだけの木ですよ?」


だから残しておいても意味が無いと…。



「この木は特別なんだ…。」

「頼むよ…ッ。」



話し合いに決着は付かないまま、スーツ姿の男達は帰っていった。





「…どうなっちまうんだよ。」

「……。」


3人はただ、呆然と立ち尽くしていた。


しばらくすると住民達も帰り始め、広場には3人だけが残っていた。



『やれやれ…やっと静かになりおった。』


今まで姿を現さなかったはなが、ようやく3人の前に出てきた。



「はな、今の話…」

『聞きたくなくても耳に入るわっ。毎回この場所で話されればな…』



はな自身も、この木が切り倒されるかもしれないという話は、随分前から知っていたようだ。



「……。」


『まぁ、なるようにしかならんじゃろっ。』



いつも通りのはな。


確かに…まだ切り倒されると決定したわけではない。

住民達も反対しているし、もしかしたら気持ちが通じて残してくれるかもしれない。


暗くなっていては駄目…3人もいつも通りにしようと決めた。



「んじゃ、また来っからな♪」

『お前らも暇じゃなぁー…』



いつものように天邪鬼なはな。

困ったように笑っている。

3人と過す時間が、はなにも楽しみになっていた。



しかし数日後、事件は起きた…。





-つづく-