・モバイル決済はすべての購買をIDデータ化する。モバイル決済が浸透することによって、あらゆる消費者の購買行動のデータが取れるようにならことが重要である。
・シェアリング自転車は生活拠点と移動をデータ化する。今までオンライン化されていなかった移動データが活用可能になる。移動データは大きく2つのことに活用できる。①自治体による交通データとしての活用、②マーケティング活用。
データを活用して仕事の評価システムの導入で従業員が変わり、その広がりで社会全体が変わって民度が上がると言う現象が中国で起きている。
・ビフォアデジタルは、リアル(店や人)でいつも会えるお客様がたまにデジタルにも来てくれる。アフターデジタルは、デジタルで絶えず接点があり、たまにデジタルを活用したリアル(店や人)にも来てくれる。
・オフラインからオンラインへと生活基盤の移行が進む中、今ビジネスを行う私たちに必要なことは、アフターデジタル時代における成功企業が共通で持っている思考法であるOMO(online merge offline)と言う概念である。
・OMOとは、オンラインとオフラインを融合し一体のものとした上で、これをオンラインにおける戦い方や競争原理と考えるデジタル成功企業の思考法である。ソファに座って口頭でフードデリバリーを注文することや、家の冷蔵庫にあるミルクが足りないことを察知してショッピングカートへの追加をサジェストすることはもはやオンラインでもオフラインでもない。この融合された環境をOMOと言い、ピュアなECからO2O(online to offline)に変わった世界をさらに進化させた次のステップである。
・OMOの発生条件は次の4つである。①スマートフォンおよびモバイルネットワークの普及、②モバイル決済浸透率の上昇、③幅広い種類のセンサーが高品質で安価に手に入り、偏在する、④自動化されたロボット、人工知能の普及。
・オンラインとオフラインはシームレスになって溶け合い、顧客はその瞬間において最も便利な方法で買いたいだけなのでそれを提供する。
・OMOにおいて重要な考え方は、①チャンネルの自由な行き来、②データをUXとプロダクトに返すこと、③リアルも含めた高速改善。
・OMOを取り入れ、無人コンビニ事業をしているJian24は、リアル店舗での購買行動を録画し、データとして蓄積して分析することで、行動導線、悩む時のタイミングなど、リアル購買行動データのコンサルティングのような存在を目指しているビジネスである。よくある無人コンビニのような、商品にRFIDタグがついてゲートを通ると決済されたり、スマホアプリで商品をバーコードをスキャンすることで会計を済ませるものとは異なる。
・OMOという考え方を取り入れるのであれば、全てをデジタル化する必要がある。
・店舗は物理的制限からスタートしているため、それをデジタル側に持っていこうとすると、物理的制約をデジタル側に持ち込むことになる。しかし、本来デジタルは理想行動を作れるはずなので、デジタルを起点に考えるとより自由な発想ができる。これが「企業はアフターデジタルで考え、デジタル起点でビジネスを展開すべきだ」と言っている理由の一つである。
・あらゆるデータを基に個人の信用をスコア化し、賃貸契約や融資審査、就職という場面でスコアを参照する仕組みが進んでいくと、「バーチャル・スラム」と呼ばれる新たな貧困層が生まれる可能性が懸念されている。アルゴリズム上、必ず最初から良いユーザーと悪いユーザーが生まれる弊害がある。問題は、なぜそのユーザーがバーチャル・スラムにいるかという疑問に対して、AIのアルゴリズムによって生まれた結果なので、その理由が本人にもわからず対応のしようがない。
・黒板の上に設置された3大のカメラが教室全体をモニタリングし、生徒の出席を顔認証システムで自動記録したり、AIが生徒の表情を解析し、授業に集中度合いをデータ化し分析すれば、教師の主観に頼ることなく、公平に授業内容を見直すことができる。一方で、生徒がカメラで監視されるプレッシャーが心身に良くないのではないかという意見もある。新しい技術や社会の発展を否定せず、保護と緩和の両輪で時代を切り開くべきである。
・中国ではモバイルでなんでも呼び出せる状況にあるため、家の外に出る必要がなくなってきており、特にデパートには人が集まらなくなっている。これに対して、スターバックスでは、全方位の空間へのこだわりや、その時にしか楽しめないイベント、体験型の店やポップアップストアの提供など「リテールテインメント」することで外に出てきてもらうような対策をしている。
・ソーシャルの時代は、人に教えたくなるような圧倒的な体験が貨幣になる。圧倒的な体験は放っておいてもソーシャル上で流通し、流通している切り取られた情報に刺激された人は現地に出向き、現地で360度全方位、語感を刺激される体験ができればそれをソーシャルに投稿し、その投稿でさらにリアルへの訪問者が増えるというサイクルが起きる。
・無人レジは、レジが無人化になったとしても、結局棚卸しなどの在庫管理の作業が8割ほど残るため、大きなコストカットにはつながらない。しかし、無人化することで、従業員とよりコミュニケーションを取り、より人間的な温かいサービスを提供することで、リアル店舗とは差別化し、価値を見出すことができる。
・感動体験が生まれる背景には、「クレド」がある。クレドは、「組織のあるべき姿や社員の姿を表した価値観」という意味である。クレドは、いつもの体験が便利で快適であるという土台があって、さらにミスティークという「リアル体験の感動」が上乗せされ、結果好きになってしまうことを端的に表している。
・AI技術の進歩における懸念が流布されている昨今ですが、必ずしも未来は冷たいものではない。これまでのIT技術を取り入れるという考え方ではなく、アフターデジタルに視点を移行して考えることで「リアルの強みを活用する」という考え方が可能になり、より人間味あるサービスが提供できる時代になったと捉えるべきである。
・商品やサービスを受ける接点のみを考えている状態は、ビフォアデジタル的である。アフターデジタルは、「常時接続」「いつでもデジタル上で会える」という考え方である。顧客の体験を一回のみの単一接点で終わらせず、ずっと継続し、高速で改善できる時代になってきている。
・OMOの基本概念の1つは、高頻度接点でデータを獲得し、プロダクトとUXを高速で改善するである。
・アフターデジタル時代のビジネス原理は、次の2つにまとめることができる。①高頻度接点による行動データとエクスペリエンス品質のループを回すこと。②ターゲットではなく、最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供すること。
・ジョブ理論。ジョブというのは、ニーズをさらに深めたものに近く、先ほどのような「特定の状況に置かれた人」が持っている、「解決したい用事とか課題」を指している。状況とジョブは表裏一体であるので、状況が異なるとジョブが変わり、ソリューションも変わってくる。例えば、自動車通勤の退屈な時間を楽しくするためにミルクシェイクを注文している男性と、子連れでミルクシェイクを注文している父親とでは、ソリューションが異なる。