(自分に正直になる)
・「かぶる帽子を一つにする」ことは、パーソナル・リーダーシップに欠かせない。それは、本当の自分を見出し、人生の意義を探索する旅路の始まりであり、終わりでもある。かぶる帽子を一つにすれば、自分が一番生き生きと感じるものがわかる。自分が好きになれる。隠し事も、何かのふりもしなくていい。自分をよく見せる必要もない。わかりやすく、誠実に自分と他人を導くことができる。
・「あなたにとって本当に大切なものを知る」
・「理念に基づく目標を掲げる」。予算も年度計画も忘れて欲しい。大きく考えよう。長い目で見よう。夢のような目標を掲げよう。感情移入して、思わず実行したくなる目標を。多くの人の心を動かす目標を。
・「知恵を借りる」。「自分を知る」というと、1人で行うことのように思われそうだが、それは違う。あなたが読む本、会う人、経験すること全てが、自分とその拠り所を学ぶチャンスである。他人の知恵を借りよう。配偶者、ルームメイト、子供ほど、あなたを正直にさせてくれる人はいない。
・「チャンスは探すな。チャンスはやってくる」。
(なぜこの会社で働くのか)
・物事がうまくいかないとき、その問題の真の原因は戦術でなく人にあることがほとんどだ。彼らは、自分たちがなぜこの仕事をしているのか、何を成そうとしているのかを見失っているのかもしれない。
・仕事を辞めるからといって、負け犬になるわけではない。価値観に反することがあるなら、それを認め、自分の帽子をもう一度確かめてみるべきである。
・学歴があろうとなかろうと、自分が何者で、どうしてこの会社で働いているのかを知ることが、成功の鍵を握るのである。
(自主的に考える)
・規則集が行き過ぎを招く場合も多い。ルールがあることで、本来の目的を忘れて形式だけにこだわることになる。規則集は人々に力を与えるのではなく、人々の力を奪う。
・行動の隅々まで支配されると、人は尊厳を失い、企業はその魂を失う。
・掃除をする人が箒を選ぶべきである。
・自主性の精神は、どんな仕事にも活かせる。「何をすべきか」よりも「なぜそれをすべきなのか」に注意を向けるべきである。ルールに従うからではなく、信念に従うからこそ、正しいことができるのである。自分の行いが「正しい」とわかるのは、次のような時である。
①自分のやりたいことや張り合いを感じることと、組織や上司やお客様の要望が一致した時。
②大きな目的がはっきりとわかっているので、自主的に考えられる時
③現場でより適切な決定を下すための情報や権限が与えられている時。人生を自分でコントロールできるとき。
④現在の仕事やプロジェクト、課題に対して自分の能力を最大限に役立てるにはどうしたらいいか積極的に自問し、また周囲にも自問するよう促す時。
・自分がなぜここにいるかを知り、その価値観に従って行動すべきである。
(信頼を築く)
・ビジネスでも人生でも、心から人を思いやれなければ、リーダーにはなれない。これが何よりも大切である。
・人を思いやらないことは、思いやることと同じくらい強い影響力がある。思いやりをかけてもらえなければ、際立った業績を上げることはできない。
・思いやりを犠牲にして出した成果に中身はない。こうした成果は持続できない。
・私たちがスターバックスに入社したのは、経歴のためでも出世のためでもない。3人を繋いだ共通の価値観は、自分たちよりもパートナーやお客様を大切にすることだった。それが私たちの生き方である。私たちはお互いを思いやり、この思いやりをスターバックス全社に広めた。私たちはすべての人に対して敬意を表し、企業のトップが正直さと思いやりを示すことでパートナーに安心感を与えた。
(真実に耳を澄ます)
・自分の欲求はほんの少しだけ傍に置いて、お客様のニーズに注意を傾けるのだ。私たちの目標が人に尽くし、お客様の1日をより良くすることだと心から信じるのなら、規則中にただ従うだけではいけない。自分たちのニーズではなく、お客様のニーズにお応えしなければならない。真剣に耳を傾け、気にかけることが必要である。
・もし自分の店を肌で感じたいなら、毎日違ったやり方で店内を体験してみる。入り口が二つあるなら、時には別の入り口から入ってみるのも良い。たまにはオフィスに四つん這いで行くのも面白いだろう。新しい視点で見たり聞いたりすることで、多くを学ぶことができる。
・仕事にしろ個人的なことにしろ、誰かが問題を抱えて私を訪ねてきたとしよう。相談された側は、問題を解決しようと考えるものである。だが、ほとんどの場合、人は助けて欲しいわけではなく、ただ聞いて欲しいだけなのだ。それにこうした場合、問題を解決しようとすべきではない。自分の考えを押し付けることなく、相手の不安を和らげる手助けになること。これが「無我無心で聞く」ことである。解決策など考えず、ただ思いやる。これはとても難しいことである。
(責任を持つ)
・リーダーが犯す間違いの中で最悪のことは、真実を隠して責任を逃れようとすることである。
・真実に正面から向き合えなければ、当面の状況だけでなく、将来にも悪影響を及ぼす。思いやりと正直さを大切にする企業文化は、倫理的で生産性の高い組織の中核である。この文化が壊れると、もう一度作り直すには大変な苦労がいる。思いやりの心が失われると、信頼感と共通の目的も失われることは、紛れもない現実である。
・人間関係の対立に陥ることなく職務上の対立に集中できたグループには、一つ共通する要因がある。信頼である。参加者同士の信頼が強ければ強いほど、喧嘩にならず問題を突き詰めることができたという。つまり、本音で意見を交換し、真実に取り組みたいのであれば、信頼できる雰囲気を作らなければいけないのである。
・恐怖心は、可能性がはじまる場所である未来への扉を閉ざすものである。恐怖は私たちを支配する。真実は私たちを自由にする。たとえ反対されるとしても、いつも本当のことを言おう。
(行動する)
・信奉者で、実行家で、新しい物好きで、果敢に挑戦し長期間諦めないという性格の人間を1人雇えば、周囲の人はその大きな夢を共有するために次々集まってくる。
・「自分にできると思えばできるし、できないと思えばできない」のである。
・金儲けが全てでない場合、仕事により深い意義を見つけ、より良い経験を積み、お客様により尽くすためにできることがたくさんある。
・筆者のモットーは、「行動的に考え、思慮深く行動する」ことである。これはある場面では、「感じ、考え、行動する」という意味である。また別の場面では、「感じ、行動し、考える」ことにもなる。私たちは行動する前に考えようとする。行動を起こさなければ何も起こらないが、何かを起こすときに早く考えてするべきである。
(困難に立ち向かう)
・危機に直面すると、人は機械的になりがちである。処理策を探したり、面倒を避けるために対応策を取ろうとする。感情を閉ざして受け流そうとしたり、物事が停滞しないように仕事をとにかく片付けようとする。このような悲劇に直面した企業リーダーたちは、自分が強くあらねばと思い込む。人を導いてみんなのお手本にならなければいけないと思ってしまう。
・しかし、私たちは人間である。悲しいくらい、どうしようもなく、不完全な人間なのである。何よりもまず人間である。ビジネスは「ただのビジネスだよ」と簡単に割り切れるようなものではない。心と身体を切り離すことはできない。
・目標への道筋にとどまる技術。
①小さな成功を積み重ねる。小さな成功を積み重ねるために、目標を小さくする。小さな目標を達成し続けることで、前進し続けることができ、そして大きな夢を見失わないようになる。
②自分の人生、しごと、失敗、過ち、限界、そして成功は全てあなたに責任がある。本当の自分から逃げ出さずこれを自分のものにすれば、しっかりとした真実の基礎ができる。何が真実かはっきり分かる前に、これを自分のものにできる人間が真のリーダーである。
③お互いに対して求めるものが明確で、結果に対してお互いが責任を持っていれば、多くの場合望ましい行動が生まれる。
④成功体験に囚われるな。本当の自分に正直であるよう、いつも気をつけること。自画自賛や市場の雑音にとらわれないようにしよう。
⑤人を第一に考えよう。
(リーダーシップを発揮する)
・パーソナルリーダーシップを身につけるためには、組織のあらゆる階層にいる全員が良心を持って自らを導かなければならない。また、自分に自信を持ち、他者を導き、他者の役に立つという原則を実践しなければならない。
・全てがうまくいっているように見えるとき、たとえば莫大な利益を生み出し、新聞に取り上げられ、お客様から最高の評価をいただいているときに、静かなるリーダーシップを発揮するのは難しい。会社の成長や周囲の雑音にとらわれて、その成功の核である価値観を見失ってしまいがちである。
・いわゆるその道の権威が言うことよりも、自分の目的や個人的なビジョンへの信頼こそが大切である。自分の帽子を被れば、セレブを崇高することもなくなる。そのかわり、自分になんの徳にならなくても、特別なことや普通はできないことをする人たちの存在に気づき、そうした人たちを尊敬するようになる。
・リーダーはすべての人に耳を傾け、すべての人に尽くす。あなたが奉仕するすべての人に耳を傾け、付き合うことが必要である。あなたにお世辞を言うような一割か二割の人だけに関わるだけではいけない。
・否定的な意見を持つ常に持つ一割か二割の人たちの意見は排除すべきであると考えるリーダーは多い。否定論者は健全な組織や肯定的な雰囲気をぶち壊しにする存在だ、と思っているからである。それは断じて違う。こうした声も必要なのである。否定的な意見は問題の所在を明らかにし、個人や組織の変化の必要性を教えてくれる。大切なのは、こうした否定的な意見が全体を支配しないようにすることである。彼らを組織の中に取り込み、より生産的に活かすことが必要である。
・最良の仕事をするためにはすべての声が必要である。
・掛け声だけでは、誰も動かない。成功するためには、組織の一人一人がこの約束を理解し、共有しなければならない。
・勤め人は、成功に対して給料をもらっている。誰しも自分が上手く成し遂げたことだけを履歴書に書く。だが、うまくいかなかったことや、そうした失敗から学んだことを挙げる方がずっと大きな意味があるのではないだろうか?価値ある経験はあなたが感じた痛みの中にこそある。受け取った賞状の中にあるのではない。
・リーダーは優しく、人の支えになれると同時に、歯に衣きせず、多くを求めることもできる。
・「一度結果を出せないのは上司が悪い。二度目は自分が悪い」。
・人を導くことはエンドレスである。
(大きな夢を持つ)
・ひとつにノーと言い始めると、多くのことにノーということになる。否定するのが習慣になっていることに気づかない人もいる。
・世界が何を求めているかと尋ねてはいけない。何が自分を生き生きさせるかを尋ね、それをすること。なぜなら世界が求めているのは生き生きとした人間だから。
・ノーと言うにはたくさん言い訳が必要だけど、一つでも理由があればイエスと言える。イエスと言ってみよう。世界が変わるはずである。