駿河の国で寄り道(20)駿河一国33ヶ所 観音霊場3 | れいんぼうの部屋

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今回のテーマは「駿河の国の見どころ」。

 

前回は「駿河一国33ヶ所 観音霊場」を訪ねた。

 

今回も「駿河一国33ヶ所 観音霊場巡り」の続き。

 

この「駿河一国33ヶ所 観音霊場」は江戸時代前期に始まり歴史的に見ても由緒がある。

前回は第20番まで話が進んだ。

 

第1番    真言宗    音羽山    清水寺    藤枝市原6-1
第2番    天台宗    池沢山    東光寺    島田市東光寺557
第3番    天台宗    千葉山    智満寺    島田市千葉254
第4番    曹洞宗    公峰山    清林寺    藤枝市高柳2425
第5番    曹洞宗    竜地山    洞雲寺    藤枝市藤枝5-2-28

第6番    天台宗    村岡山    万願寺    藤枝市群726-1

第7番    曹洞宗    普門山    補陀洛寺 藤枝市花倉1038
第8番    曹洞宗    谷川山    梅林院    藤枝市桂島964
第9番    曹洞宗    普門山    観音寺    藤枝市下当間1099
第10番    天台宗    高草山    法華寺    焼津市花沢2

第11番    曹洞宗    仏谷山    安養寺    小坂1426

第12番    曹洞宗    大窪山    徳願寺    向敷地689

第13番    曹洞宗    天柱山    観昌院    丸子2904

第14番    臨済宗    牧谷山    耕雲寺    牧ヶ谷281

第15番    真言宗    瑞祥山    建穂寺    建穂502

第16番    曹洞宗    慈悲山    増善寺    慈悲尾302

第17番    曹洞宗    高福山    法明寺    足久保奥組1043

第18番    臨済宗    祥雲山    慶寿寺    島田市大草767

第19番    真言宗    音羽山    清水寺    音羽町27-8

第20番    真言宗    布袋山    平沢寺    平沢50

 

どのような順番で番号がふられたのか分からないが西から始まって清水区に入る。

 

「第21番霊山寺」と「第22番鉄舟寺」は2月から3月にかけて「安倍七観音霊場」で巡っているので再掲になる。

 


第21番    真言宗    鷲峯山    霊山寺    大内597

〇霊山寺本堂

「安倍七観音」の一つ。

巡礼地の雰囲気も色濃く梶原山の中腹にたたずむ姿は神秘的ですらある。

無住の寺院。かつては修行の地であったのだろうか本堂裏には宿泊できるような場所もある。

 


第22番    臨済宗    補陀洛山    鉄舟寺    村松2188

〇観音堂

「安倍七観音」の一つ。

かつては「久能寺」だったが「山岡鉄舟」によって再興されて改名された。

本堂裏の階段を登った先に観音堂がある。

 


第23番    臨済宗    厳腰山    瑞雲院    興津清見寺町420

1356年足利尊氏が堂宇を建立、「清浄観」と称す。

翌年尊氏が今川範国の兄「仏満禅師大喜法忻」を招き「瑞雲庵」を開く。
徳川家康が、庭に紀州ミカンを植樹したと伝わっている。

清見寺の隣なので陰に隠れたように目立たないが境内は綺麗に手が入っていて落ち着いた寺院。

観音堂が建っている。
霊場の本尊は「如意輪観世音菩薩」で「最澄」による一刀三礼(一彫りごとに三度礼拝)の作と伝わり、60年に一度ご開帳がある。

 


第24番    臨済宗    仏光山    最明寺  由比町屋原213

 

〇最明寺

鎌倉時代に「北条時頼」が開基。

「寧一国師」の開山と伝わる。

慶派の作とされるヒノキの寄木造の像高約60cmの「宝冠阿弥陀如来坐像」が安置されている。
霊場の本尊は観音堂に祀られている「十一面観世音菩薩」。

明治初期廃寺となった物見山慈眼院の本尊で極彩色の宮殿型厨子に納められている。

 


第25番 臨済宗 八幡山 大法寺 由比676

安土桃山時代の1585年に開山。
大法寺の本尊は1577年に海で浮遊していたとされる「如意輪観音菩薩」。
観音霊場の本尊は位牌堂に安置されている「馬頭観音菩薩」。


第26番    臨済宗    岩戸山    龍雲寺    蒲原2-12-10

龍雲寺は室町時代中期に「今川範忠」が開基した。

後に200m東方にある「諏訪神社」のさらに東方にあった「観音霊場」の「常楽寺」を合併した。

諏訪神社東方には「北条新三郎の墓」が常楽寺山の山麓にあることから、常楽寺はその辺りに在ったと推測される。

観音霊場の本尊は「聖観世音菩薩」。

 

 

第27番    曹洞宗    明星山    大悟庵    富士宮市星山9
812年に弘法大師により創建された「福興寺」という真言宗寺院だった。

1571年に曹洞宗に改宗し「大悟庵」となった。境内に観音堂がある。
観音堂にたたまれて安置されている本尊は「十一面観音」の大画像(縦30メートル、横15メートル)。

弘法大師ゆかりの布観音で70年ごと描きなおされている。

 

 

第28番    臨済宗    藤沢山    妙善寺    富士市滝川原田1344
妙善寺は創建が奈良時代の天平年間と伝わっている。

本尊は本堂に安置されている釈迦牟尼仏。
札所本尊は観音堂に安置されている「十一面千手観世音菩薩」

「滝川の観音さん」と親しまれていて、「木造十一面千手観音菩薩坐像」は「行基」の作と伝わっている。

 

 

第29番    曹洞宗    円通山    福聚院    富士市須津増川599

奈良時代の創建。

福聚院の本尊は釈迦牟尼仏。

札所本尊は「行基」作と伝わる 「準堤観世音菩薩」。33年ごと開帳している。

 


第30番    真言宗    赤野山    広大寺    沼津市柳沢702

広大寺が管理する「赤野観音堂」に安置される本尊は11世紀頃製作された一木造りの「十一面観音像」

 


第31番    時宗本派    千本山    沼津市千本緑町1-5

稲久山長谷寺は弘法大師ゆかりの寺院で平安時代の創建。

本尊は「十一面福聚自在天観世音菩薩」で毎年4月に開帳の法要が営まれている。

「浜の観音さん」で知られる寺


第32番    臨済宗    安養山    蓮光寺    沼津市三芳町1-23
蓮光寺は1250年の創建。

霊場の本尊は円通寺の本尊で「恵心」作と伝わる「馬頭観音像」だったが、沼津大空襲により焼失した為、蓮光寺の本尊「千手観世音菩薩」とした。

 

 

第33番    臨済宗    東海山    潮音寺    沼津市大岡434

霊場の本尊は、別の場所で廃寺となった「亀鶴山観音寺」の空海作と伝わる「観世音菩薩」(石像)

潮音寺の本尊は「恵心」作と伝わる「聖観世音菩薩」

平成3年の800年忌に再建された観音堂に安置されている。

 


番外    真言宗    日金山    東光寺    熱海市日金山

「駿河三十三観音霊場」の終着点である番外のお寺

東光寺は西暦273年に松葉仙人が開山したと伝えられている。

東光寺の本尊は頼朝公の建立による「延命地蔵菩薩像」

御朱印は5kmほど熱海の麓へ下った「般若院」にて対応してくれるそうだ。

 

観音霊場なのに最後に「地蔵菩薩」

違和感が有るような、逆に「だから番外」って納得する。

 

 

3回に分けて「駿河一国33ヶ所 観音霊場」を巡ってきた。

 

霊場巡りの発端は「行基」を始めとして「空海」やその他の高僧たちが密教を広めるための活動として観音菩薩を各地に祀ったことだった。

「行基」や「空海」など高僧たちの布教活動も限定的な地域だけだったようなので本人が本当にこの地へやって来たのかは伝説の域を超えていない。

仏像を彫ったり井戸を掘ったりした全国各地の伝説の多くは「行基」や「空海」から学んだ僧たちが地方で広めたと考える学者も多いが伝説を信じていたい。

 

その後、修行僧や武士たちが信仰の修行として「霊場巡り」が広まる。

 

室町末期から江戸に入り僧や武士にならい庶民に広がっていった。

 

さらに、大正、昭和になって全国各地で霊場が作られた。

その中に「静岡新西国観音霊場」「静岡梅花観音霊場」や「駿河一国百地蔵菩薩」などがある。

 

 

 

次回「駿河の国で寄り道(21)」は「静岡梅花観音霊場」の話