皆さんこんにちは、ラヒームです。今回は前回の楚漢戦争の解説の続編をやって行きたいと思います。今回の主題は、鴻門の会後の天下の情勢についてです。それではさっそく見ていきましょう。


さて、前回は項羽が劉邦の行動(分からない方は前回を参照)を形の上では許したとこまで見ましたね。劉邦は九死に一生を得ましたが、彼の苦難がここで終わることはありませんでした。皆さんは、項羽の部下である范増たる者が、将来脅威となる可能性のある劉邦をどうしてもブッ殺したかったことを覚えていますか?鴻門の会でこの夢が絶たれた范増は、せめてでも劉邦の勢力を小さくしようと画策します。そこで彼は一計を封じます。


彼は新しい中華の秩序を形成するという名目で、各地に割拠していた諸侯たちに土地の「再分配」を行うことにしました。ここでのひっかけは劉邦の土地です。皆さんは前回、懐王が先に秦の首都を陥落させた者にこの土地を与えることを約束したのを覚えていますか?秦の首都咸陽がある土地を関中と呼ぶのですが、本来は咸陽を陥落させた劉邦がこの土地を得ることになります。もちろん范増は劉邦にこの土地を与える訳がありませんでしたが、かといって名目上の王である懐王の約束を破るわけにも行きません。そこで、彼は言葉遊びを用いて劉邦を関中王ではなく漢中王としました。


今は?となった人がほとんどでしょう。そこで解説をすると、漢中とは関中のすぐ南にある、現在の四川省の北部あたりを指します。この土地は険しい山脈が混ざり合い、漢中の外に出るためには100km以上にもわたる細い吊り橋を渡らなければいけませんでした。そのため、外の世界へ出るのは絶望的で、この土地は罪人の流罪先として選ばれていました。当然、これを知った劉邦は絶望しました。まさか、関中王になるはずが漢中王になり、栄転とは名ばかりの左遷となることは夢にも思っていなかったでしょうから。


この時、諸侯は皆劉邦は終わったと思い、彼の中からは脱走兵が相次ぎます。しかし、人生と同じように、絶望的と思えるピンチの中でも必ず希望はあります。彼の下には様々な幸運が訪れ、遂には「ヤツ」を手に入れることになります。次回、劉邦決起!是非お楽しみを