
レンズを向けると同時に、いつも右人差し指が躊躇い、シャッターボタンを撫でる癖が
とれないラグ氏。今宵もまた「行き場のない写真たち」に現れる被写体を観て指が、あの時の感覚を取り戻すのである。
某月某日。某町某所。
美容室の内装を窺わせる店舗。
日当たりの良いところに、日を遮る様に季節の花が咲く。
客への配慮を考えてのことか。
いや、窓の左で何か作業をしているぞ。
しっかりと日光を受けて店主は気持ちよさそうだ。
それに無造作に生えた髭のように伸びる蔓はシェービングがままならい状態だ。
一番驚いたのは、規則正しく整列された新しいレンガ調の外壁とは対称的な
おどろおどろしく崩れたホラーなフォント。
配色も店主の依頼なのであろうか。
そこは「レディース シェービング」
他に目立つような媒体もなく、どうやらこの看板名が店舗名といっていいようである。
ターゲットはもちろん女性だろう。
そこにリンクしないシェービングとは、はて???
【撮影後記】
外は一体何を生業にしているのか分からない。アンバランスでギャップこそ好物にしているが、店名通りのストレートな妄想に陥ってしまったラグ氏。頭の中がご婦人達の高笑いに支配される前に、敢えて下記の曲を流してコントロールしていた。
♪
Michel Legrand 「 Di-Gue-Ding-Ding 」