
二日酔いが取れたばかりの体には、ちと手動二輪では辛いな。
そう思って、いつものキーを握りしめる。
出かけようと外に出るや否や、爽やかな風が玄関扉を自然と閉めた。
僕の背中を押してくれたから。
夕暮れの空を満喫するには、条件がそろっていた。

綺麗な夕日だった。
そして沈む太陽に向かってお辞儀するススキ。

一年でもっとも素敵な空が描かれる秋。
どんな曲を浮かべてもいい。
風の音を耳で感じたっていい。

秋になれば虫食いの葉だってアートに。

あっという間。
これが俗に言う秋のつるべ落とし。
駐車場に戻るころには辺りはすっかり暗くなっていて、待たせていた相棒だけがぽつんと佇んでいた。
このまま来た道を戻るのも面白くないから、遠回りをして帰ろうか。
うなずく仕草を感じながら、僕はハンドルを逆に切った。
さあ、窓を全開にして虫の音と夜の秋風を感じようか。
初秋に欲する曲。
ラグカーで聴いて帰りましたとさ。
♪
キリンジ 「 愛のCoda 」