行き場のない写真達(1) | RAGSTYLE

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ライフスタイルをクリエイトする。
そんな僕の日常。

はじめに
ぶらぶらと旅をする楽しみのひとつとして、カメラ片手に地元に溶け込み、生活者の視点で歩くことである。その基点となるスーパーや地元ならではの百貨店、夜は居酒屋などを覗くと非常に近い距離で文化や習慣が飛び込んでくる。意図せず、そんな取材先で遭遇してしまうのは、目に止まる「はにかむ写真」達だ。その環境化で圧倒的な存在感をもち、竦みあがるほどの強力なメッセージを与えていることに、僕は羨み、そして時に憂いを超え、はにかんでしまうからそう呼んでいるのだ。トレンドでいうならば別称「ゆるゆる写真」とでも云おうか。
文化的な一面に即しながらも、そこに鎮座する珍品、または珍光景をこの場を借りて、勝手に紹介することにする。
テーマは写真であるが、カテゴリーは「ゆる目はにかむ科行き場のない種」略して「行き場のない写真達」と題してここで供養させて頂く。ちゃんと略されていないのは愛嬌だと思うべし。


題「蜜柑好きな人が住む国」

RAGSTYLE-mikan

ここは言わずと知れたみかん生産地で有名な駿河国。
新幹線の改札口を出るや否や、駅ビルと思われるライトアップされた店舗へと吸い込まれていった。毎度、お楽しみな時間の始まりである。平日のそこは閑散としておりエスカレーターには地元のご夫人達がこぞって買物袋を見せ合っていた。移動時間を含めて厠との距離を置いていたため、専用を探すためにおりたフロアにその光景は広がっていた。
そうです蜜柑がありました。
そして、しっかりと食べられていたんです。
菓子袋などが落ちていては、怪訝な顔をしてしまうのであるが、何故だろう笑っていた。いや、はにかんでいたかもしれない。しかも厠へ行くことをすっかり忘れ、しばらく息を呑んで暫くその空気感を味わっていた。
許してしまった空気感、僕は一瞬でこの国が好きになったかもしれない。

情報
「大人から(お年寄りを含む)子供(ギラギラの女子高生)まで蜜柑は常に携帯しているとか...」
「冬はその辺でみんな食べてるよ...」
「このソファーに腰掛け、おばさん二人が談笑して召し上がっていましたよ...」