③からの続きです。


腫瘍科の医師ではなく、別の病院のかかりつけ医と雑談していた中で、

以前診た白血病の子が、ずっと親からちゃんと伝えてもらえなくて、寛解が近いのに、自分はもうすぐ死ぬんだと勘違いしていた事例があった、子供にはある程度、ちゃんと真実を伝えるべき、という話がありました。


確かにそういう事例もあるかもしれない。

でもそれば、寛解が近い、ある程度の見通しがたっているからこそ伝えられることであり、全ての小児がんに当てはまるわけではないと思います。

脳腫瘍の予後については、良くない場合も多いのです。


ただ、私は、この先、長男はずっと元気で、腫瘍の増大もしないと願い、信じているし、そう信じるしかないので、彼の将来を考えます。



なぜ、検査をするのか、

自分がどんな病気なのか、

どんな症状が現れる可能性があるのか、

きちんと知っておくことは、この先18歳成人となり、親の目が届かなくなった時にもすごく大事なことです。



私の祖父は胃癌で亡くなりました。

亡くなったのは、私が小学生の時ですが、最期の姿は大人になった今でも忘れられません。

大好きだった祖父が、骨と皮だけになる程やせ細り、人の死についてはじめて意識したできごとでした。

祖父が亡くなった後の私は、最期の姿が目に焼き付いて、眠れなくなったり暗闇が怖くなったりしていました。


長男も、あの頃の私のように、人が生きるとか死ぬとか、そんなことについて考えたりしているのかな。

小児がんという言葉を、彼がどう受け止めたのか、わからないです。


病気を経験した子たちは、その経験を糧にして、医療関係の仕事や、教育に携わる仕事に就くことが多いそうです。


私も、長男には、まわりの人や医療者に、感謝の心を持てる人間になって欲しいという気持ちがあり、治療を頑張っている子がいることを忘れずにいてほしいと願います。


しかし、矛盾した、おかしな言い方かもしれませんが、別に立派な大人にならなくてもいいんです。


ただただ、元気に、たくましく、彼らしく生きていてくれさえすれば。



これからのこと、不安ですが、きっと大丈夫。

立派な人にならなくても、どんなあなたでも、ウザがられても、ずっと心配で、大好きだということを伝えたいです。


告知について、長く書きましたが、今でもどういうふうに腫瘍について話せばいいのか、あるいは話さない方がいいのか、葛藤や迷いがあります。

他の保護者さんのブログを見て、なるほどと思うこともあります。

どなたかの参考になればと思い、私の今の気持ちを書いてみました。