5月のできごとをランニング中心にまとめる。

 

 

元旦のランニングで傷めた左ふくらはぎの故障は、一向に回復の兆しが見られないまま、10連休へ。

その後半、休みすぎて何もしてないのに疲れて寝てばかりいるなかで迎えた、8日目5/4。

平塚君と松戸のテラスモールで映画を見るため、茅屋から走って行くことにしたが、15km 前後から左耳の通りが悪くなる。

連休3日目4/29 に筑波山方面へ繰り出した時に続く、明らかな耳管開放症の症状。

耳管開放症は、ちょうど一年前の2023年5月に発症した。耳鼻科で処方された漢方薬を夏過ぎあたりまで飲み続けたら症状が出なくなってきたので薬の量を減らし、年末には快癒と信じて服用をやめていたのだけれど……。

たぶん発汗量と関係があるんだろう、暑い季節を迎えて再発した形。

ヘロヘロで平塚君と合流して「ゴジラ×コング」をIMAX版で見たが、耳の調子がなかなか戻らずせっかくのIMAX音響を堪能できず。

 

ふくらはぎは治らず、耳はまた悪くなり、連休も終わり……。

休み明けの火曜日5/7は、失意をあおる雨の朝だった。

この15km通勤ラン中の13km付近で、自爆転倒事故を起こす。

剥きだしの両膝は血だらけ、両肘と手は膝ほどではないがあちこち擦り傷。着ていた雨具のmont-bell トレントフライヤーには破れ穴複数。

更に、アスファルトに左胸からダイブしていたことが、脇下付近の痛みが徐々に増してきたことで判明する。骨に異常はないっぽいが深刻な打撲(「病院に行ったら?」という周囲の声を無視し続ける)。

擦り傷の方は2週間ほどで絆創膏も剥がせて落ち着いてきたけれど、胸痛は日を経ても治るどころか受傷時より悪くなっていくような……。

深呼吸・くしゃみ・せき・嘔吐き・横向いて寝るなど、全部禁忌。

 

かくして、故障・病気・怪我の三重苦に見舞われることに。

5/25&26には奥久慈トレイル61Kにはじめてエントリーしていたのだけれど、あえなくDNS。

こんな状態でも平日の通勤ランを強行していたが、バックパックのフィットベルトは胸で留められないうえ、歩道橋の上りでも痛みがひどい+下り階段は衝撃が響くありさま。この体で山に入るのはリスクが高すぎる。

たださえ疲労蓄積のところへ体中の痛みストレスが重なり、気持ちの面でも折れていた。

 

思い返せば、去年も6月1週目開催の奥武蔵ウルトラマラソン78Kを欠場していた(前日の記録的豪雨で現地へ向かう道が水没。近所の地区が水に浸かるニュースを見てモチベを失う)。

2年連続でこの時期の大会に参加できず。これはもうエントリーなんてしなくていいという神のお告げかしら。

 

せめてもの慰めは、「全日本マラソンランキング」くらい。

この一年で走った他のフルマラソン(水戸漫遊・勝田・かすみがうら)は軒並み不調に終わり、東京マラソンにかろうじて救われた形。

 

その他、月間の文系活動は以下。

【映画/ミニシリーズ】

「6アンダーグラウンド」(6Undergroundマイケル・ベイ監督2019年128min.★3Netflix)

「ミッドサマー」(Midsommerアリ・アスター監督2019年147min.★2.5AmazonPrimeVideo)

「メルトダウン:今語られるスリーマイル島原発事故」(Meltdown:Three Mile Island[TV Mini Series]2021年★3.5Netflix)

「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」(古賀豪監督2023年105min.★3AmazonPrimeVideo)

「ゴジラ×コング:新たなる帝国 【IMAX】」(Godzilla×Kong: The New Empireアダム・ヴァンガード監督2024年115min.★3ユナイテッドシネマテラスモール松戸)

「花束みたいな恋をした」(土井裕泰監督2021年124min.★3.5AmazonPrimeVideo)

「劇場版 白石晃士の決して送ってこないでください」(白石晃士監督2023年78min.★2.5U-NEXT)

「バッド・デイ・ドライブ」(Retributionニムロッド・アーントル監督2023年91min.★3U-NEXT)

 

大学生の男女が終電を逃した縁で入った居酒屋でお互いの趣味嗜好(おもにサブカル方面)が通じたところから意気投合し彼氏彼女になるも、やがて大学を卒業し夢では食べていくことはできないと知った二人の好きなものは少しずつズレていって……。

 

男女それぞれのモノローグが延々リレーする新海誠症候群が過剰でうざったいけれど、恋愛映画の体裁で現代の日本の若者の真面目さやオタクっぽさや夢との距離感などを的確に描いて、見終わった後にあれこれ語りたくなる映画だった。

2015年から2020年コロナ禍直前までの時事風俗が作品の背骨になっているが、物語の後半で謎解き系イベント会社に就職した彼女の方は恐らくコロナで大打撃を被ったはずなので、パート2を作れる材料はじゅうぶんにあると思う。

 

【本】

中川右介「社長達の映画史:映画に賭けた経営者の攻防と興亡」(2023年日本実業出版社541p)

黒柳徹子「窓ぎわのトットちゃん」(1981/2006年講談社294p)

宮部みゆき「ソロモンの偽証 第Ⅲ部:法廷(下)」(2012/2014年新潮文庫596p)

九段理江「東京都同情塔」(2024年新潮社143p)

吉村昭「島抜け」(2000/2002年新潮文庫DMMブック)

小野不由美「鬼談百景」(2012年メディアファクトリー316p)

宇野常寛「母性のディストピアⅡ:発動篇」(2017/2019年ハヤカワ文庫DMMブック)

 

クリスマスの夜、中学校の屋上から落下して命を落とした男子生徒はいったい何者だったのか、クラスメートたちによる卒業課題の模擬裁判が隠されていた事件の真実に光を当てる。

久々の宮部みゆきだった「ソロモンの偽証」。文庫本500pオーバー×6巻の超長編に手をかけたのが去年の12月で、都合半年がかりで読了する。これだけの長さのものにこれだけの時間を費やすと、小説を読む体験自体が人生の一部に食い込んでくる感覚があった。

 

江戸時代後期、種子島へ島流しの刑に遭った講談師の男が、島での暮らしに不満はなかったものの、仲間の脱走計画に巻き込まれて小舟で海へ、漂流の果てに異国の地へたどりついた一行は罪人であることを隠して何とか長崎への帰国に成功するが……。

史実に基づきながらも、吉村昭が得意とする題材「漂流」「逃亡」の合わせ技で、ドラマチックに変転する主人公の運命を読ませる。