[漫画]

松浦だるま「累(2)」(2014年講談社イブニングコミックス)

羽生田欣吾がかさねに引き合わせた女優・丹沢ニナは、顔が入れ替わるかさねの能力を目の当たりにし、女優の名声や肩書きだけを求めるニナと美貌を手に入れて舞台に立ちたいかさね、利害が一致した二人は手を組むこととなり、というのもニナは学生時代から突然眠りに落ち数ヶ月間覚めない奇病「眠り姫症候群」を患っており、学校も女優生活もままならないなか、女優として成功するために親から許された残り時間が二年と迫っていた矢先で、ニナは女優を志すきっかけのワークショップで出会った演出家・烏合零太のことが忘れられず、かさねが挑むオーディションはその零太が演出するチェーホフ「かもめ」で、口紅を使って入れ替わったかさねはニナとして零太の心を鷲掴みにして役を獲得、ニナはかさねのマネージャーとして目を光らせるも気が気でないのだったが、経験のないキスシーンでつまずくかさねは零太と危うく一線を越えかけるも、その現場を目撃したニナはかさねの魔法の秘密が口紅にあると気づき、かさねが零太とプライベートで会う約束をしたその夜、ニナは12時間で効力が切れる口紅の制限時間前にいったん元の顔に入れ替わったところでかさねの口紅を奪い取るや、零太の愛を自らのものとするのだったが、翌朝かさねを「しょせん偽物」と勝ち誇ってみせた瞬間にニナの「眠り姫症候群」が再発、目を覚ましたニナは一ヶ月以上の時が経ったこと、そして公演は口紅を取り返してニナの顔を手に入れたかさねによって大成功のうちに幕を閉じたことを羽生田から知らされたところへ、ニナの顔を手に入れたかさねが帰ってくるのだった。

 

前の巻が小学生編・高校生編とコンパクトにまとまっていたのに対し、ニナとのドロドロ劇が一巻丸々続く上に、まだ終わらない。

(2021/2/9)