[漫画]
吾峠呼世晴「鬼滅の刃(17)」(2019年集英社ジャンプコミックス)
しのぶの必殺の一撃も上弦の弐・童磨には通じず、駆けつけた継子のカナヲが見たものは、事切れたしのぶがその肉体を童磨に吸収されようとしているところで、彼女の最期の指文字にカナヲは復讐に逸る自身を押さえつけていた頃、吾妻善逸が対峙した上弦の陸・獪岳は、雷の呼吸の継承権を持ちながら自ら鬼になる道を選んだかつての兄弟子で、善逸の育手だった桑島慈悟郎はその責任を取り切腹、かくして雷の呼吸・壱の型のみを操る善逸と壱の型のみ会得できなかった獪岳、因縁の両者は激しく激突するなか、善逸は自ら編み出した漆の型・火雷神で獪岳の首を落とすが、自らも重症を負った彼を助けたのは珠世の命で鬼殺隊に潜り込んだ兪史郎だったのだが、一方、産屋敷の邸では輝哉にかわって当主となった少年・輝利哉ら産屋敷の子どもたちが、一線を退いた宇随天元と煉獄父の護衛の元、兪史郎の「眼」の札を持つ鴉からの情報を元に鬼舞辻無惨の居場所を突き止めようとしており、そして禰豆子は鋼鐵塚が見守るなか珠世が煎じた人間へ戻る薬を飲んで伏せっていて、その頃、鴉よりしのぶの死を知った炭次郎と義勇の前に現れたのは、煉獄を手にかけた仇敵・猗窩座で、短期間に練度を上げた炭次郎を猗窩座は称賛するも、義勇と炭次郎の二人を相手になお凌駕する実力を見せつけ、炭次郎は猗窩座の言動や伊之助との会話、そして幼い頃、人食い熊を倒した炭次郎の父が見せてくれた、最小限の動作で最大限の力を発揮する「透き通る世界」こそ、猗窩座を倒す唯一の方法と悟るのだった。
敵も味方も色んな技を次々放つが、何が違うのか区別がつかない。
あっけなく殉職する(……)しのぶに引き換え、いつのまにそんな強くなってんだ善逸! 納得いかん! そもそも寝れば最強な設定はどこにいった。
前の巻で禰豆子がどうしたのか全然気にしていなかったのだけれど、まさか布団のなかで戦闘不参加とは思わなかった。
慈悟郎が獪岳と善逸を弟子に取った経緯や、岩柱・悲鳴嶼の寺で鬼を招き入れた少年が獪岳だったとか、裏設定が話間の余白にて作者直筆で披露。いや、あんた漫画家なんだから、それ絵にしなきゃ……。
早すぎる展開を、作者自身が制御できていない印象を受ける。
(2021/1/26)