[漫画]

吾峠呼世晴「鬼滅の刃(15)」(2019年集英社ジャンプコミックス)

逃走を続ける半天狗に、炭次郎は善逸の雷の呼吸をヒントに追いつくと、仲間たちの援護と時透無一郎の投げた刀を手についに首を切断するが、それもまた囮で、折しも鬼を滅する夜明けが迫り、禰豆子を守ることを優先する炭次郎だったが彼女の一蹴りで宙を飛び、首を失った体の心臓に隠れていた半天狗の本体を切り裂くのだったが、朝日さすなか悲しみに暮れる炭次郎の前に意外にも無事な姿を見せた禰豆子はにこやかに微笑むばかりか言葉も取り戻し、珠代の手紙によれば禰豆子の体内の血は成分を変化させ、ついに太陽の光を克服したらしく、甘露寺密理が相手にしていた「憎」の竜も本体と共に消え、炭次郎ら鬼殺隊は上弦の鬼二人を相手についに勝利を収めるのだったが、その頃、禰豆子が太陽の呪いから解放されたことを知った鬼舞辻無惨は千年の悲願がついに成就されると大喜びで、無惨を不死身の鬼と変える引き替えに太陽光を禁忌とする当時の医者が調合した薬「青い彼岸花」を探す必要もなくなったらしいのだったが、さて鬼殺隊では刀鍛冶の里の復興が急がれるなか、当主・産屋敷の邸へ集合する柱たちの前に病状が進行した輝哉の代理で現れた妻あまねは、炭次郎に続けて無一郎と密理が戦闘中に発現した顔の痣に注目、かつて無惨を追い詰めた戦国時代の鬼殺隊「始まりの呼吸の剣士」らにも痣があったと語り、その発現条件について無一郎は自分の経験から体温39℃+心拍200以上と推測、痣を発現させるため鬼殺隊の合同訓練が行われることになるのだったが、さて炭次郎は鋼鐵塚が鍛え直した「滅」の文字が刻まれた新しい刀を受け取ると、産屋敷からの依頼でなぜか訓練に参加していない冨岡義勇の元を訪ねて理由を質すと、義勇が実は水柱ではないばかりか最終選別も突破していないことを知り、その選別で彼を守って命を落とした少年こそ炭次郎を鬼殺隊へと導いた錆兎なのだったが、錆兎や煉獄ら倒れた先達の姿が脳裏に過ぎった炭次郎は自分たちには彼らから託されたものを繋いでいく必要があると説得して義勇の目を覚まさせるのだったが、その頃、やはり何らかの事情で訓練に参加していない胡蝶しのぶは継子のカナオへ姉カナエを斃した鬼についての何かを語り、そして珠代は産屋敷の使いの鴉より無惨を倒すための協力を依頼されているのだったが、さて柱稽古に参加した炭次郎は無一郎・密理・蛇柱の伊黒らの過酷な訓練を突破するも、玄弥の兄な不死川実弥による特訓のさなか、弟へ厳しい態度を取る実弥に拳で反撃して修行は中断&接近禁止となってしまったので、次の岩柱・悲鳴嶼行冥の元へ向かうのだった。

 

里編終了、そして次なる戦いへ向けての修行&設定が整理される巻。

禰豆子が人間に近くなったり、無惨の「青い彼岸花」の設定や痣の件など、ふつうなら主人公が物語のなかで突き止めるべき謎が、なーんにもしてないのに次々明らかになる。これでいいのか。

これまで作者のこだわりと思われる敵味方問わずな過去の回想だけれど、見開き2ページで雑に処理される半天狗が哀れだ。


あまね「痣が発現してしまった方は選ぶことができません。(なぜなら)どなたも例外なく──」

この前後、台詞も噛み合っておらず意味がよくわからない!

(2021/1/18)