スパガの新曲『ナツカレ★バケーション』のYouTubeでの再生回数が、公開から1週間で10万回再生されたそうです。

 

 

 

 

 

「おお!10万回も!」と驚く部分もありましたが、一方で「10万回って凄いの?」と疑問に思う部分もあり、一体この数字をどう捉えるべきなのか迷ってしまいました。

そこで歴代MVの再生回数について、いろいろ調べてみたところ、そこからまた新たな知見を得る事が出来たので、今回はその調査報告をしたいと思います。

まぁ、アイドル全般におけるMV戦略についての話なので、「そんなの興味ねー!」という人は見なくて良いですからね。笑

あと、長文なので、ご注意を。




 

・過去1年のMV再生回数


ではまず、この1年で発表されたMVの現時点での再生回数を、さらっと紹介しましょう。


『キラキラ☆Sunshine』 18万回再生

 

 


『ばぶりんスカッシュ!』 69万回再生

 

 


『わがまま GiRLS ROAD』 5万回再生

 

 


『コングラCHUレーション!!!!』 12万回再生

 

 


以上になっています。

まず、注目すべきは『ばぶスカ』の69万回。

水着MV+Full ver.という好条件もあってか、1つだけ再生回数が飛び抜けています。

こうもはっきりと数字で示されると、水着MVの引きの強さを実感させられますね。



続いて気になったのが、『わがまま』の5万回。

これは…。

スパガの歴代MVの中でも、最も再生されてない楽曲になるのでしょうか…。

確かに、やっつけ仕事みたいな楽曲で、私自身もあまり聞いてないんですけどね。笑

 

 
(´-`).。oOこのジャケットもキツかったなぁ…。

 


ファンに不評でも、ある種のネタ曲として昇華した『アッハッハ』と比べ、『わがまま』は卒業ソングとして作ってる手前、なかなかネタにしにくいのも厳しい…。

もしかしたら、『アッハッハ』以上の黒歴史、封印されし楽曲になるのかもしれません。



そして、第4章初シングルである、『コングラ』は12万回。

う~ん、悪くない数字だとは思いますが、これまでの『花道』や『ラブサマ』といった新章開幕曲と比べると、寂しい気はしますね。

まぁ、これからも定期的に披露していくとは思うし、ライブの中でどれだけ育てていけるかが勝負かなと。

果たして、『女子パラ』『花道』『ラブサマ』に続く、スパガの新たなアンセムになるのでしょうか。



 

 

・『ばぶスカ』との比較


さてさて、歴代MVの再生回数を紹介してみましたが、この時点で『わがまま』と『コングラ』を超える勢いはあると言えそうです。

次に気になるのは、同じ夏曲&水着MVである『ばぶスカ』との比較ですね。

果たして、『ナツカレ』は『ばぶスカ』の勢いを超えているのでしょうか?

その指標の1つとなるのが、『ばぶスカ』の公開から1週間での再生回数です。

調べてみたら、石橋さんのブログにこんな記述を発見。

 

おかげさまで! 再生回数


:゚*+16万回再生を突破しました .+*:゚


ありがとうございます!

「【ばぶりんスカッシュ!】MV解説してみた。」より

 


『バブスカ』のMV公開が7/2で、このブログの更新日が7/10。

つまり、『ばぶスカ』は公開から1週間で16万回再生を達成したという事になります。

流石に『ばぶスカ』を超える勢いはなかったみたいですね。



ちなみに、『ナツカレ』が1週間で10万回なので、単純に計算すると、約3~4割減になります。

この数字は結構リアルな数字だと思っていて、第3章から第4章で減ったファンの数も大体これくらいなんじゃないかなと。

先日、こんなツイートもあったわけですが、
 

 

 

 

渋谷ストリームホールを埋めるくらいが、今のスパガの集客力と考えられます。

今年の春ワンマンの会場、渋谷ストリームホールのキャパが700人。
昨年の春ワンマンの会場、ディファ有明のキャパが1100人。

これも大体3~4割減になるんですね。



人によって、この数字をどう捉えるか分かりませんが、私としてはよく頑張ってる方だと思っています。

第3章の主力が半分以上も抜けた事を考えれば、ファンだって半分以上に減っても不思議ではありません。

それでも5割を切らずにいられるのは、やっぱり渡邉さんの残留が大きかったのでしょう。




 

・ライバルとの比較


ここまではスパガの過去と現在を比べてきましたが、そんな内側の話ばかりしても窮屈なので、少し外側の話をさせて下さい。

 



最近はスパガに限らず“夏曲”を打ち出してくるアイドルグループが増えました。

中でも、個人的にかなりスパガと競合していると思うのが、虹のコンキスタドール(虹コン)


 

(;゚д゚) アー写が水着だと!

 


虹コンさんはデビュー以来、夏曲&水着MVを毎年発表しているんですよね。

 

今年も新しい夏曲&水着MVを発表しています。
 

 

 


そして、こちらのMVの再生回数は1週間で20万回再生となっています。
 

 

 


こういうライバルとの比較をすると、「まだまだ目指すべき頂は高いな…」と思わされますね。

こうなったら、「ライバルに学ぶところは学べ!」という事で、虹コンさんがどうやって再生回数を増やしているのか調べてみました。

その中で気になったのが、『虹コンに学ぶYouTubeでミュージックビデオをバズらせる方法』というブログ。


と、その前に、昨年末に虹コンのMVが急にバズり出す事件があった事を、皆様はご存知でしょうか?
 

2017年に発表した『キミは無邪気な夏の女王』が、突如として600万回を超える再生回数を記録したのです。

 

 

 


この謎の現象について、バズが起こった理由を考察してるのが、先に紹介したブログなんですね。



で、このブログの推理によると、MVがバズった理由は「サムネに胸が映ってたから」との事。

なんてバカな推理なんだ!笑

…でも、意外とこれが真実なのかもしれません。

やっぱりエロは強いというか、男性なら分かりますよね?w

 

 

 


これだけ動画が氾濫した時代になると、サムネの重要性がより高まっているのは間違いないでしょう。

YouTuberさんの動画を見ても、やっぱりサムネに力を入れてる様子で。

 

 



極論を言えば、HIKAKINの変顔に勝てるサムネが必要な時代と言えるのかもしれません。

 

 

 

ちなみに、そういう意味で言うと、『わがまま』はサムネも良くなかった…。

 

 

 

 

「なんで、この場面を切り取ったんだ?」と思うし、黒く縁取られた外枠も謎だしで、なんだかイリーガルな動画みたいな、ヤバい雰囲気を放っているんですよね。笑

 

これでは、なかなか再生ボタンに押しにくいし、そういうところも再生回数が伸びなかった原因なのかなと思います。




虹コンに話を戻すと、更に興味深いのは、600万回再生された曲だけではなく、他の水着MVにも着目している点。

600万回再生に引っ張られる形で、歴代の水着MVもそれぞれ100万回再生突破のプチバズを起こしているのです。
 

 

『THE☆有頂天サマー!!』 136万回再生

 

 

 

『限りなく冒険に近いサマー』 132万回再生
 

 

 

『ずっとサマーで恋してる』 170万回再生

 

 


その理由として、虹コンが水着MVをシリーズ化していたからこそ、1回のバズで連鎖的に、より多くの楽曲を広める事に成功したと指摘しています。

これも面白い考察だな~と思いました。

虹コン側が、ここまで計算していたかは分かりませんよ。

でも、根本凪というグラビアに対応出来て、でんぱ組メンバーでもある(知名度がある)メンバーをサムネの中央に載せているのは事実ですし、少なくとも「根本凪を入り口にしよう」という戦略は伺えます。

 

 

 




 

・スパガのMV戦略に思う事


こういった虹コンさんの戦略を見た時に、果たしてスパガにも、こうした戦略があったのかと考えてしまいました。

だって、スパガにもいたじゃないですか、“浅川梨奈 a.k.a 1000年に1人の童顔巨乳”が。

 

 

 

 

思い出して欲しいのが、彼女の在籍期間に彼女をセンターにした夏曲&水着MVは、1つも作られなかったという事です。

これ本当に痛恨と言いますか、勿体ないと言うか、悔しさすら覚えるなと。笑

サムネに彼女の水着ショットを載せたMVが1つでもあれば、また風向きが変わったんじゃないかと思うんですよね。

例えば、この辺の動画なんかは100万回再生突破しているわけで。
 

 

 

 

 


単純にこの数字が加わる事はないにしろ、彼女の知名度やグラビアの活動をよりグループに還元する事が出来たかもしれません。

浅川さんは「先頭に立って引っ張って行きたかった」「もっとグループの名前を広めたかった」と力不足を嘆いていたけど、

 

 

 


そうではなく、スパガというグループが浅川という才能を上手く使いこなせなかったのだと、今になって思うのです。





また、それに付随して、もう1つ思うのは「夏曲のセンターは阿部さんで良いの?」という問題。

別に「阿部さんのセンターは認めない!」とか、そういう事じゃないですよ。(汗

確かに彼女のルックはかわいらしいと思います。

でも、“水着”というシチュエーションを考えた時に、果たして「かわいい」で良いのかな?と。

水着なら「セクシー」で勝負した方が良いんじゃないかと思うのです。



先の虹コンの話では、水着MVは如何にサムネで水着や胸をアピールして、再生に繋げるかが重要という話でした。

 

なのに、今回の『ナツカレ』のサムネは、その水着と胸の部分にタイトルロゴを入れて隠しちゃってるんですよね。

 

 

 


おそらく、阿部さんの体型に配慮していると思われますが、これでは水着MVである事が伝わりません。

折角、水着で撮影するからには、水着である事を全面に押し出さないと、意味がないと思うんです。

それならば、もっと大人っぽい顔立ちの子や、胸の大きい子をセンターに据えた方が良いんじゃないかなと。

どうしても、阿部さんで勝負したいのなら、『ラブサマ』の様に衣装を着用するなど、別の手法もありますからね。





そして、これは前々から言ってる事ですが、MVのShort ver.は本当に止めて欲しい。

『ナツカレ』で一番残念だったのがそこで、わざわざ海外にまで撮影しに行って、「お!予算も掛けて、スパガ勝負するんだな!」と思ってたのに、まさかのShort ver.で腰が砕けました…。

折角、メンバーが全員映るMVにしても、多くの人に見てもらわなければ、伝わるものも伝わりません。

今回、歴代MVの事を調べていて気付いたのですが、みんな大好き『ラブサマ(Short ver.)』の再生回数がどれくらいがご存知ですか?
 

 

 

 

正解は、58万回です。

そう、『ばぶスカ』よりも少ないんですよ!

確かに『ばぶスカ』も良い曲だと思いますが、認知度やCDの売り上げ枚数から見ても、『ラブサマ』の方が再生回数を上回っていないのは不自然ですよね。

個人的には100万回再生くらいしててもおかしくないと思うし、これがShort ver.の限界なんだなと思いました。



あと、先の虹コンの話で言えば、虹コンのMVは当然ながらFull ver.です。

だからこそ、次の曲、次の曲と興味が湧いて、全ての水着MVを見てもらえたのでしょう。

それを考えると、今後スパガのMVがバズる事があったとしても、そこから過去の動画を辿る…みたいな流れを作れないと思うんですよね。

それって、すごいチャンスロスじゃないですか。

勿論、「Full ver.だとCDを買ってもらえない」というリスクがあるのは分かります。

でも、もはやShort ver.である事も、リスクのある時代の様に思えるのです。


 

 

 

・最後に


今回の調査をまとめると、

『わがまま』『コングラ』の時よりは伸びてるが、昨年の『ばぶスカ』程ではないし、ライバルはもっと高みにいるよ!…という感じですかね。

「夏曲と言えば、スパガ」という事を打ち出してはいますが、少なくともYouTubeの再生回数では虹コンさんに抜かれていますし、「夏曲と言えば、虹コン」というのが実情なのでしょう。

その現実を踏まえた上で、長期的な戦略を見直し、再ブランディング化を計る事が、これからのスパガには必要なのかもしれません。



スパガのディスコグラフィーを振り返ると、スパガもデビューから3年は『MAX』『プリサマ』『常夏』と、夏曲&水着MVを連続でリリースしています。

 

 

『MAX!乙女心』 906万回再生

 

 

 

『プリプリ♥SUMMERキッス』 213万回再生

 

 

 

『常夏ハイタッチ』 142万回再生

 

 

 

どれも再生回数100万回以上!


「スパガ=夏曲」みたいなイメージは、この初期水着三部作の成功体験に依るところが大きいのでしょう。

ところが、『アッハッハ』でその流れは断ち切られる事になります。

 

 



「またお前か…」という感じですよね。笑

ちなみに再生回数は22万回でした、残念!



でも、スパガがブレていった原因は『アッハッハ』と言うよりも、その後の方向性を統一出来なかった事にあると思うんです。

夏曲だけを見ても、『イチャヤチャ』というバカ曲をやったかと思えば、『ラブサマ』という王道路線に回帰し、その次は『ばぶスカ』でチルな世界観に挑戦したりと、一体何をやりたいグループなのか、よく分かりません。


この辺は、以前に卒業生達がグループの問題点として「コンセプトの確立」を挙げていた事とも呼応する問題なのでしょう。





そうやって、スパガが迷走している間に、虹コンは夏曲&水着MVを着実に積み重ね、ブランディングを確立していったというわけです。



「エンタメはとにかく新しいものを追求すべし!」と考えがちな私としては、「同じ方向に走り続ける事で、ブランドイメージを安定させる」「安定させる事が信頼や強みになる」という考えは新鮮で、いろいろと勉強になりました。

そして、ポスト前島以降のグループ像を提示出来ていない、現在のスパガにとって、新たなブランディングを確立する事は必須な気がします。

それが阿部さんになるのか、楽曲になるのか、コンセプトになるのかは、まだ分かりませんけどね。



長々と書きましたが、今回はこの辺で。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。