スパガ第3章、無事完結。

 

 



もう3章について語る機会はないと思うので、最後に自分の思いや考えを書き残しておこうと思う。

あくまで、自分なりの第3章総括。





まずはメンバーについて。



・渡邉ひかる

正直、アイドルとしての才能に恵まれた人ではなかったと思う。
ただその分、持ち前の人の良さや温和な性格を生かす事で、皆に愛されるメンバーに成長した。
メンバーのムチャ振りが酷に見える瞬間もあったが、それもメンバー間の信頼の証だったのだろう。

振り付けやセトリ考案など、グループを陰から支えた貢献も忘れてはならない。

 

 

 


卒業後は芸能界に残るとの事。
個人活動の実績がない故に、本人も不安だろうが、スパガで得た経験を生かして頑張って欲しい。





・宮崎理奈

大っぴら気な性格に見えて、実は照れ屋で誰よりも乙女な人だった様に思う。
普段は冗談ばかり言っているが、ステージに上がると100%アイドルをやりきる…そのギャップが彼女の魅力だった。

グループのムードメイカーでもあり、メンバーのみならずファンにとっても、安心感や安定感をもたらす存在だったに違いない。
イジられる側に回ると、スカしたり、キャラで誤魔化すのが玉に瑕で、受け身を取る事を覚えれば、バラエティーでも活躍出来るのではないだろうか。

 

 

 


卒業後は女優を目指すとの事。
アイドル時代から女優仕事は定期的に入っていたので、舞台関係者からの評価は高いのだろう。
女優業だけでなく、舞台を作る側として、これからも後輩達にチャンスを与えて欲しい。





・溝手るか

いくつになっても変わらない、そのピュアさには感心すると同時に、心配になる部分もあった。
リーダーでありながら卒業をするという決断は、大きな痛みを伴うものだったに違いないが、その痛みが彼女を1つ大人にするのだろう。
リーダーとしての働きを感じさせる機会は少なかったものの、幸愛がブログで言っていた様に、働きを感じさせない事が彼女の偉大さだったのかもしれない。
第3章の苦しい状況においても、メンバーが荒む事なく、むしろ慈しみ合う関係を構築出来たのは、溝手イズムが浸透した結果である。

 

 

 


卒業後はシンガーソングライターを目指すとの事。
avexを退社する事も報告されたが、事務所に所属する事よりも、自由に活動する事を選んだのだろう。

今の時代なら簡単に楽曲を発表する事も出来るし、彼女らしくマイペースに曲作りに励んでもらいたい。





・浅川梨奈 

心から尊敬し大好きな時もあれば、心から軽蔑し大嫌いな時もある…実にピーキーなアイドルだった。
アイドルとして良い所だけを見せるのではなく、人間・浅川梨奈として裏表のない姿を見せてくれたという事なのだろう。
グラビアを中心とした、スパガの広告塔としての役割は勿論の事、嫌われ役を買って出る姿勢は後輩達の育成においても、多大な貢献をしたはずである。
AKBには入れず、GEMには選ばれず、決して順風満帆なキャリアを歩んできたわけではないが、諦めずに頑張れば夢が叶う事を彼女は体現して見せた。
「努力は必ず報われる」とは、まさにこの事だろう。

 

 



卒業後は女優を目指すとの事。
若手女優は数あれど、グラビアが出来て演技も出来る女優は限られるし、その希少性からチャンスもあるはず。
あとは、良い作品&監督との出会いを願うばかりだ。





・内村莉彩

加入当初は最年少である事以外、さして特徴はなかったが、地道なボーカルレッスンの末に、溝手と共に落ちサビを担当するまでになった。
そんな努力の人ではあるが、卒業報告のブログにもあった通り、ここ最近は成長が感じられなくなってきていたのも事実である。
才能はあるが、芸能界で成功するという野心や欲望は、あまりなかったのかもしれない。
あれだけの文才があるなら長文ブログを書いたり、歌が上手いならカラオケ動画をアップするなり、自分の才能をもっとアピールして欲しかった。
勿論、才能をひけらかさない、おしとやかさも彼女の美点ではあるのだけど。
 

 

 


卒業後は芸能界を引退するとの事。
ただ、将来的には芸能界への復帰を考えてる様なので、ファンとしては一安心といったところか。
彼女がどんな形で戻ってくるのか楽しみである。





・渡邉幸愛

リーダー就任は規定路線も、レッドへのカラーチェンジは驚きだった。
ただ、それも溝手との特別な関係性や、戦隊モノにおけるレッドの意味を考えれば、納得の出来る変化である。
途中加入のヒーロー(シルバー)から、中心にいるヒーローへと変わったという事なのだろう。
幸愛イズムが浸透したグループは、一体どんなグループになるのか?…それも第4章の楽しみにしたい。

 

 

 





・石橋蛍

まったくの素人から始めたにも関わらず、愚痴や不満をこぼす事なく、ブログも毎日更新するなど、驚異的なタフネスを見せてくれた。
人一倍多いであろうダンスの練習も、京都から東京へ通っている事も、とんでもない負担になっているに違いないが、そんな苦労を感じさせないのが彼女の凄さである。
ただ、最近は彼女の代名詞とも言うべきブログの更新量や、得意のイラストの投稿が減っているのが気掛かり。
先輩という立場になり、戸惑いや混乱もあるのだろうが、この先どんな変化を見せるのか注目したい。
 

 

 

 

 

 

 

・阿部夢梨

期待のエース候補だったのだが、ピンク色への変更以降、どうも壁にぶつかっている様に見える。
受験や上京など、生活環境の変化が影響したのかもしれないが、あまりにも残念な場面が見受けられた。
第3章においてセンターを取れなかった事、また第4章初のシングルで4期メンバーにセンターを取られた事実は、重く受け取るべきであろう。
先輩という立場になり、個人のラジオ番組も始まる事で、彼女に起こる成長と変化に期待したい。
 

 

 





・長尾しおり

「泣き虫、泣き虫」と言われ続け、スパガ史上最弱メンバーと思われた彼女だが、第3章の厳しい環境にあっても見事にサバイブしてみせた。
人に弱さを見せれる、自分の弱さを受け入れられる事が彼女の強さなのだろう。
だが、いつまでも逃げ回っていては、成長出来ないのも事実である。
モデルで勝負するなら専門的な知識を勉強するなり、苦手な分野に飛び込んで見るなり、今後は少し自分に厳しくする必要があるかもしれない。

甘やかしてくれる先輩達は去った…今度は彼女が後輩に背中を見せる番だ。
 

 

 





続いて、グループ全体について、この2年半を簡単に振り返ってみよう思う。

まず、第3章初のシングルとして、2016年8月31日に『ラブサマ!!!』が発売される。
 

 



今やスパガの代表曲の1つと呼べる程の楽曲であり、オリコンウィークリーも2位を記録し、セールス的にも成功を収めた。

第2章を良い形で終え、その勢いのまま好スタートを切ったと言えるだろう。



そして、次作が12月21日発売の『恋☆煌メケーション!!!』。
 

 



浅川をセンターに据えた意欲作だったが、オリコンウィークリーは7位。

オリコンのレギュレーション変更もあって、デビュー以来続いていた「オリコン5位以内」の記録が途絶えてしまった。

ここから雲行きが怪しくなっていく。



年が明けて、2017年3月5日。
当時のリーダー、前島亜美が卒業を発表。

 

 

 

 

ここからメンバーの卒業が続く、負の連鎖に陥ってしまう。


4月17日には木戸口桜子の活動休止が発表→9月20日に卒業発表。
 

 

 


12月14日には小澤ルナが活動休止を発表→翌年1月31日に卒業発表。

 

 



2018年2月16日に田中美麗と志村理佳が卒業発表。

 

 

 

 



たった1年で5人も卒業してしまうという異常事態。

そして、10月1日には渡邉ひかる、宮崎理奈、溝手るか、浅川梨奈、内村莉彩の5人が卒業を発表する。
 

 



その間にもシングルは『スイート☆スマイル』から『わがまま GiRLS ROAD』まで5枚リリースされたが、歴史的インパクトで言うと、卒業人事の方が印象深いのではないだろうか。

かくして、グループ史上最多の14人体制で始まったスパガ第3章は、グループ史上最少の4人を残して章を閉じる事になった。



 

 

・前島卒業が及ぼした影響


こう振り返ってみても、やはり前島卒業の影響は大きかったと思わされる。

昨年にメンバーが出演したネット番組で、グループの歴史を折れ線グラフで紹介するパネルがあったが、第3章の項は上昇する事なく、急降下の線で描かれていた。





メンバーの実感としても、やはり厳しいものがあったのだろう。

第3章の景色は前島卒業以前と以後で、まったく変わってしまった。
いや、スパガ全体の歴史で見ても、大きなターニングポイントになったに違いない。

では、「一体何が変わったか?」と言うと、まず単純にファンが減った。

第2章時代はライブ会場として、TDCホール(キャパ2000人)を使う事が多かったが、第3章で使われたのは、大体キャパ1000人程度の会場。

ざっくり言って、半分もファンが減ってしまったのである。

アイドルの卒業に際して、ある程度のファン離れは付き物とはいえ、ここまで大きな影響を及ぼす例はなかなかないだろう。



また、前島卒業の影響は、スパガのクリエイティブにも影響を及ぼした。

それまでのスパガの楽曲は、基本的に明るく楽しい雰囲気のものが多かった様に思う。
ところが前島卒業以降の楽曲は、自分達を鼓舞する様な、内省的な楽曲が増えていく。

スパガの楽曲は、当時のグループの置かれた状況や雰囲気が反映されている事が多いのだが、第3章では以前の様なお気楽な楽曲を歌う余裕はなかったのだろう。

唯一の例外は、オーディション期間中という、一時のモラトリアムに発表された『ばぶりんスカッシュ!』ぐらいか。

 

 



第3章、最後のシングルとなった『わがまま GiRLS ROAD』ですら、非常に泥臭い内容となっている。
 

 

 


第1章『空色のキセキ』のウェットさも、第2章『華麗なるV!CTORY』のアッパーさもない。

 

第3章が最後まで苦しい状況だった事が、ここから伺えるだろう。




 

・第3章で見えたスパガの問題

 

いくら前島がエースだったとはいえ、1人のメンバーの卒業がここまでグループに壊滅的なダメージを与えた例は、あまり聞かない。


かなり特異な現象であるが、そこにこそ、スパガというグループの本質や課題が隠れているのではないだろうか?

ここからは更に、この問題について考察していこうと思う。



前島卒業以降のスパガから見えてくる問題は、大きく分けて2つある。

1つは、メンバー個人への依存だ。

ライブ動員数が2000人から1000人に減ったという話をしたが、この消えた1000人はグループのファンではなく、前島個人のファンだったという事なのだろう。

彼らはグループに対して期待や信頼をするよりも、前島個人に対して期待や信頼をしていたと思われる。



スパガ運営…と言うより、avexという会社に好感を持っているアイドルファンは少ない。

昨年のGEMやチキパの解散劇を見れば分かる通り、この会社がアイドルというジャンルに愛情がないのは明らかである。

そういった会社への不信感や、グループ自体の魅力や価値の低下から、グループよりもメンバー個人に応援の重きを置いている人は、意外と多いのではないだろうか。


私自身、「いくら運営がクソでも、あみたが言うなら付いていこう!」と思わされる瞬間は何度もあった。



そして、もう1つの問題は、ビジョン&プランの欠如である。

前島卒業後のスパガが活動する上で、ポスト前島となる新しいスパガのビジョンを提示する事は必要不可欠だったはずだ。

しかし、『スイート☆スマイル』以降に発表された楽曲に一貫性はなく、センターが特に固定される事もなかった。

更に言えば、作品をより多く発表する事で、「スパガはまだまだ終わらない!」というメッセージを内外に発信する必要もあっただろう。

 

だが、『スイート☆スマイル』発売から1年の間に発表された楽曲は、『汗と涙のシンデレラストーリー』のみである。

ここから分かるのは、運営に前島卒業以降のビジョンやプランが用意されていなかったという事だ。
それどころか、前島卒業による影響を予測すらしてなかったのではないかと思わされる。



こうなってしまった理由は、2017年にあった、avexの組織変更にあるのだろう。

これまでスパガを見ていた樋口Pが離れ、橋元Pが総合プロデューサーに就任した。

だが、後のSRの番組で橋元P自身が発言してた様に、外部の人間がプロデューサーをやるのは苦労が多かった様である。


果たして、どこまで彼に裁量が与えられていたのかは分からないが、1年も持たずに解任された事を考えると、avex側の姿勢は自ずと見えてくるだろう。

兎にも角にも、前島卒業のあった2017年4月付近は、avex自体がゴタゴタしており、スパガ全体を見る人間が不在になってしまった。

グループが最も助けを必要にしてた時期に、会社からのバックアップを受けられなかった事は、第3章の悲劇と言わざるを得ない。




 

・コンセプトの欠如


ここで話を少し変えるが、前述したメンバーが出演したネット番組にて、「新体制のスパガに必要なものは?」という質問に対するメンバーの回答が興味深かった。

卒業する3人が、“コンセプトの徹底”を挙げたのである。

 














スパガには一応“王道アイドル”というコンセプトはある。

だが、“王道”という概念は非常に曖昧なものだ。
人によっても違うだろうし、時代によっても違うだろう。

その具体性のなさ、共有の出来なさを、メンバーは批判したのではないだろうか。

目指すべき方向・理想とする姿を確立し、共有すれば、メンバー全員がそこに向う事で、グループはより1つにまとまるかもしれない。

苦しい時や迷った時には、それが自分達の原点や信念となり、立ち返るべき場所として機能するかもしれない。

グループを進化させ、迷走させない為にも、コンセプトを確立させる事は重要だ。

しかし、スパガには明確なコンセプトは存在しない。

武道館という目標はあれど、その為に「どんなアイドルを目指すのか?」「どんな事を発信するのか?」という話は、あまり語られないのが現状である。




 

・コンセプトとは何か?


コンセプトというのは、スポーツにおける“戦術”の様なものだと思う。

選手がバラバラに動かない様に、意思を統一し、行動に指針を与えるのが戦術だ。
ざっくりと言えば、個人技<チームプレーというイメージ。

そして、その戦術に沿って選手を補強したり、試合を組むのが“戦略”である。

では、この戦術がなくなったら、どうなってしまうのか?

チームの実力は、より個人の能力に依存してしまう事だろう。
ざっくりと言えば、個人技>チームプレーというイメージ。

そして、沿うべき戦術がない以上、戦略に一貫性や展望を持つ事は難しくなってくる。




ここで思い出してもらいたいのは、前述したスパガが抱える2つの問題。

「メンバー個人への依存」と「ビジョン&プランの欠如」である。

これをそのまま、上の話に当てはめてみて欲しい。

つまり、コンセプト(戦術)がないから、メンバーへの依存(個人技)が強まり、ビジョン&プランの欠如(戦略)を起こしてしまった…と言えるのでないだろうか。

私は、これが第3章に起こった問題の原因であり、スパガというグループが持つ本質ではないかと考えている。




 

・コンセプトなきアイドルの可能性と限界


一応、補足しておくと、コンセプトがない事が、必ずしも悪い事とは限らない。


スポーツで考えても、戦術でガチガチに固めるより、選手に自由を与えた方が上手くいくケースもあるだろう。

スパガにしても、コンセプトがないからこそ、受けれた恩恵もあるはずだ。

例えば、音楽面に関しては、特定のジャンルに拘らない多様性があると思うし、仕事面に関しても、ドラマからバラエティーまで幅広く活動する事が出来た。

中でも、その恩恵を最も受けたのは、浅川だろう。

アイドルグループの中には、水着NGなグループだってある。
もしも、彼女がそういうコンセプトを持ったグループに入っていたら、今日のグラビア女王としての地位はなかったに違いない。

コンセプトで縛らない事は、個人のポテンシャルを最大限に上げるメリットがありそうだ。



しかし、その一方でデメリットも当然ある。

1つは、グループの実力をメンバー個人に依存するが故に、メンバー個人が必要以上に責任を背負ってしまう問題。

以前に、石橋が「「3期生が頑張らないといけない」って思いつめながら活動している自分がいました。」という事をブログに書いていたが、真面目な人程、「自分が何とかしないといけない」と責任を感じてしまう。

その最たる例が前島だったのではないだろうか。

グループの責任を誰よりも背負っていた彼女だが、遂には抱えきれなくなり、途中で卒業してしまった…そんな見方も出来なくはない。



もう1つは、メンバーの卒業がグループのファン離れに直結してしまう問題。

魅力的なコンセプトがあれば、そのコンセプトに惹かれて、グループのファンでい続けるという選択肢もあるだろう。


それがないから、メンバーの卒業が直接的にグループの人気に響くし、抜けた穴をカバーするのも難しくなってしまうのではないだろうか。



最後の1つは、人気メンバーが足りないという問題。

動員をメンバー個人に依存するという事は、それだけ動員力のあるメンバーが必要になってくる。
前島の動員力を軽く1000人程度と見積もっても、武道館(キャパ10000人)でやる為には、前島クラスのメンバーがあと9人は必要になる計算だ。
 

AKBや乃木坂の様な大所帯グループならまだしも、11人組グループのほぼ全員に、そこまでの実力を求めるのは酷な話ではないだろうか。



以上の点から考えると、コンセプトの欠如したアイドルグループには限界があると思えてならない。
いささか暴論であり、極論ではあるが、グループのあり方に限界を感じてるファンは少なくないだろう。

コンセプトを確立し、グループのポテンシャルを最大限に上げる事。
そうした努力を怠り、思考停止し続けた結果が、第3章の惨状を招いたのではないだろうか。

これからのスパガは、1人のSUPER☆GiRLに頼るのではなく、SUPER☆GiRLSとしての魅力や価値を高めていく必要がある。

 

その為には、これまでの抽象的で保守的なコンセプトから一歩踏み込み、より具体的なディティールと先進的なアプローチが求められるだろう。


…要は、スパガなりの新しい王道アイドル象を作り上げるという事だ。

2010年代の王道アイドル象ではなく、これからの2020年代の王道アイドルは一体どんな存在であるべきなのか?

どんな世界観や価値観を持ち、どんな音楽やパフォーマンスを表現し、どんなテーマやメッセージを放つべきなのか?

 

8年間王道アイドルを引き受け続けたグループだからこそ、伝統と革新をミックスさせた、スパガにしか出来ないアイドル像があるはず。

それを提示出来れば、確実にグループの強みになるだろう。


王道アイドルというコンセプトを再定義する事は、スパガがここから更に進化する為には避けては通れない道になる。

そして、王道アイドルの概念が更新された時、日本のアイドルカルチャー全体もまた、次の段階へと引き上げられるのではないだろうか。




 

・最後に


はっきり言って、第3章は失敗だった。

打つ手が全て裏目に出ては、対応は常に後手後手に回ってばかり。


4期オーディション開催中に、現役メンバーが卒業発表をしてしまうなど、何かがズレてしまっている印象は最後まで拭えなかった。

そもそも、第3章のスタート時点で、途中で放り出す人間をリーダーにした事も、3期生を中学生中心の偏った編成にした事も、今考えると失敗だったのかもしれない。



別にこれは第3章を貶しているわけではなく、それだけ厳しく苦しい状況だったからこそ、第3章を守り抜いたメンバーに改めて賞賛を贈りたいわけである。

それに、第3章が失敗だったからと言って、第3章に意味がなかったとは思わない。

大切なのは、この失敗から学び、自分達の成長に繋げる事だ。


それが出来なければ、いくら体制をリセットしたところで、また同じ壁にぶつかってしまう事だろう。


同じ過ちを繰り返す事なく、グループを次のステージに導いてこそ、第3章メンバーの苦労は報われるし、第3章にも意味が生まれる。



第1章がグループの基礎を作った“勃興の時代”であるならば、

第2章はグループを発展拡張させた“成熟の時代”であり、

第3章はグループの問題と限界が露になった“崩壊の時代”と言えるだろう。

となると、

第4章はグループが新しく生まれ変わる“復活の時代”にならなければならない。

 

 

 


第4章初のシングルは、新メンバーの目覚めから始まる。

それはまるで、第3章という悪夢からの目覚めをも象徴している様だ。

第4章の、スパガの未来に祝福があらんことを。