(「独りぼっちの天の川」からの続き)
小李が辞めてから1ヶ月ほど後、何時もの様に鎮府に行くと阿麗はいません。阿漂と小金は二人の世界に入っています。私は独りぼっち・・・。
別に如何こうしたい訳でもなく、小金に阿漂を攫われた口惜しさはあれど、時間が過ぎるのを待つばかりの何時もの事なのですが・・・、何か違うのです。
その他大勢の卡拉OK小姐達が、私の気持ちを慮ってか、とっかえひっかえ私をオモチャにし、私は彼女達の為すがままの状態で、ただただ時間が過ぎていくのを待つばかり。
「阿麗はどうしたの?」と聞くと、「三江に行ったのよ」、「三江?」。私は常時携帯している地図で場所を確認すると、崖門水道(河)を遡った対岸(新会市の隣)の町(鎮)です。
「何しに行ったの?」、「友達がいるの」。友達に会いに行ったんだなと納得した私です。別に彼女でもないし、独りで行動出来るようになったのならばいい事です。
少なくとも、身分証は返して貰えたと言う事です。私が払った小幣(チップ)が溜まって借金が返せたのでしょう。保護者の私としては「良きかな、良きかな」でござる。
ところが、それから何度も鎮府に行きましたが、阿麗は戻って来ません。代わりに小李と消えた阿芳が戻って来ていました。「あれ、どうしたの?」、「・・・」。
よくよく話を聞くと、小李の両親に反対されたのだとの事。小李は親を説得すると言ってるようですが、彼女は半分諦めた様子です。私も「さもあらん」と思ったのてす。
小李は朝鮮族で、阿芳は漢民族です。中国政府にしてみれば民族融合は大歓迎ですので結婚は可能ですが、少数民族側からすれば民族の純潔は絶対です。
説得は無理でしょう。勘当覚悟で結婚する事は出来ますが、朝鮮族のコミュニティーから排除されてしまいます。小李にその覚悟は出来ていないでしょう。
時間が経てば経つほど、小李の気持ちも冷めてくると思います。今は夢中ですが、必ず夢から覚める事になる筈です。彼は長男ですしね。
女の子ならば許されるかもしれません。私の妻は客家です。結婚に際しては当初、やはり反対されたのです。でも、日本人と言う事で許されました。客家の処世術ですね。
これ以降私の相手は阿芳がしてくれたのですが、小幣(チップ)は頑なに拒否したのです。まだ半分残っている小李の彼女としてのプライドなのかも知れません。
ある日、阿芳が思いつめたような表情で、「阿麗は子供みたいに見えるけど、24歳(満23歳)で、私より年上なんです」、「え、噓でしょ」、「三江に彼氏がいるんです」、「・・・」。
今から思えば、多分、小李と決別したんだと思います。私が阿麗に夢中なんだと勘違いしての事でしょう。自分の境遇と照らし合わせ、早く諦めた方がいいとの忠告だったのかな。
阿芳はそれから間もなくして姿を消しました。小李と結ばれたのかなとも思いましたが、後年彼女と再会した時、床屋の看板になっていました。
声をかけた訳ではありません。何度か手を振って挨拶する程度でしたけどね。店先で憂鬱な表情を浮かべて座っていました。そのうちに、また居なくなってしまいましたけど・・・。
私は時々床屋に行っていました。散髪に行った訳ではありません。洗髪と按摩(マッサージ)のためです。按摩と言ってもイカガワシイものではありません。交渉次第では・・・ですけどね。
洗髪は時間をかけて(30分くらいかな)入念に洗ってくれて、10元(当時のレートで100円)です。とても気持ちがいいのです。
按摩は一時間で、こちらも10元、按摩小姐の熟練度によって当たりハズレはありますが、疲れた体を解すには十分です。足らなければもう一回して貰ってもいい訳ですから。
卡拉OKに置いてもらえなくなると床屋で按摩小姐になるケースが多いと聞きました。小幣はたったの10元ですので、交渉次第では特別な按摩も有りと言う事の様です。
そして最終の行き場がチキチキと言う事になります(「マッサージチキチキ」参照)。阿芳がそんな道筋をたどったかどうかは定かでありませんが、残念な事です。
私は阿麗を彼女と思った事はなく、年端もゆかない少女を保護しているだけのつもりでした(不遜な考えでしたね)。でも、阿芳のこの言葉が私をとんでもない方向に誘う事になりす。
(つづく)
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