(「遠足転じて修学旅行」からの続き)
ホテルにチェックインした白楽雲一行。エレベーターの中で阿漂が「これからどうするの」と聞かれてもね。だって、正直な気持ちを言ったら怒られそうだからね。
仕方が無いので本来の目的(お風呂に入る事)を告げ、小李には「阿芳と遊んで来いよ」と言って、彼女達の引率を丸投げしたのです。だって、風呂が先決でっしゃろ・・・。
夕食の時間を午後6時と決め、それまでは自由行動としたのです。早速バスタブにお湯を入れ、ほぼ1ヶ月ぶりに風呂に入ったのです。「気持ちいい~、シ・ア・ワ・セ」。
冷蔵庫から冷えたビールを取り出して、「ぷはぁ~、う~ん、旨い」。ビール2缶空けると少々眠気が来てしまい、そのまま寝てしまった白楽雲。疲れてたんでしょうね。
「ピンポン」と言う呼鈴が鳴り、覗き穴を見るとそこには阿漂が・・・。ガウンの乱れを直し、ドアを少し開け、「如何したの」、「中に入ってもいい」、「あ、え、#$%&?$%&?」。
心の準備が出来ず狼狽える白楽雲。阿漂はお構いなしに部屋へ入って来ます。そして、ゆっくりと近づき、私の胸に顔をうずめて来た彼女。ほんのりと良い香りが・・・。
こんな時に公安に踏み込まれたらと言う想いが頭に過りつつも、彼女の背中に手を廻し、グッと引き寄せると、私の顔を見つめる彼女。その愁いを帯びた表情が間近に・・・。
最早、理性の歯止めなど何の効力もありません。暫し見つめ合う二人。そして彼女の瞼がゆっくり閉じられ、必然的にその意思の強そうな唇に己の唇が重なろうとしたその瞬間・・・。
唇に何か尖ったものが当たる感触で目を開ける白楽雲。な、なんと、阿漂の口には鶏足が・・・。「ひえ~」と心で叫ぶ白楽雲。そして、そして、次の瞬間・・・。
「ピンポン、ピンポン、ピンポン」と言う呼鈴の音で飛び起きた白楽雲。「何だ夢か」と毒づきながら、覗き穴を見ると小李です。「何だ、小李か・・・」、「如何かしただか・・・」。
「ん、何でもないよ」(ちょっと待ったぁ~、創っただろ)。え、何が・・・(阿漂の件は創っただろ)。ばれたか、だってこうでもしないと詰んないだろ(詰んなくていい)。
「あの子達はどうしてる」、「シャワー浴びてるだよ」、「今戻ったのか、何時だ」、「もう直ぐ6時だよ」、「御前もシャワー浴びろよ、風呂入ると気持ちいいぜ」。
「僕はシャワーだけでいいだよ」、「あ、そう、気持ちいいのになぁ」。中国人は風呂に入る習慣が無いのです。シャワーを浴びるだけです。ちょっと可哀相ですね。
結局、女の子達の準備が整ったのは7時過ぎです。すっかり、お腹が空いた白楽雲。「何食べようか、女の子達が好きな物は何だ」、「四川火鍋が良いだよ」、「四川火鍋・・・」。
「四川火鍋って何」、「四川省や湖南省は麻辣が好きだよ」、「麻辣って何」、「辛さの種類だよ」、「兎に角辛い鍋って事だな」、「そうだよ」。辛い物に目が無い白楽雲。
「よ~し、それに決めた」。ビールが旨いぞこれは・・・。
ホテルの裏には屋台が並び、「四川火鍋」と看板を掲げた屋台が1軒。「よ~し、ここに決めた」(ポケモンか)。彼女達も嬉しそうです。真面な物なんて食べてないだろうからね。
鍋奉行を小李に任せたのですが、鍋の中がセパレートされた変な鍋が出て来ました(今では日本でも売ってますね)。片方に白湯、もう片方に赤っぽい湯。
赤い方に鷹の爪・八角・花椒(中国山椒)などをどっさり入れ、グツグツさせます。何かエゲツナイなぁ~と想ったのですが、具を放り込み、食べてみると辛いなりにもなかなか上手い。
しかし、箸を付けたのは私だけ。小李は白湯の方を食べてます。「こっちの方が辛くて美味しいぜ」、「僕はいいだよ」、「朝鮮族なら辛いの好きだろ」、「これ麻辣だよ」、「だ・か・ら」。
女の子達は全く箸を付けません。「何だよ、皆が好きだと想ってここに来たのに」と心で呟きながら、鍋の具を取皿に取り出して、独り舌鼓を打つ白楽雲。ビールが旨い。
10分程すると、何やら独特な臭いがきつくなって来ました。すると彼女達は一斉に食べ始めたのです。それも本当に美味そうに食べてます。会話も弾んでるしね。
取皿が空になったので、鍋に箸を伸ばし口に運んだ白楽雲。次の瞬間「・・・・・・・・・・・・・」。
一体何が・・・。
(つづく)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
古代風水に興味をお持ちの方は「風水の真実をあなたに!!」で、簡単に紹介しております。更に詳細を知りたい方は、下のバーナーをクリックしてね。
お気に召したらクリックして下さいね。