父母の話の最後(「父母に感謝」)で、家族の繋がりを感じさせてくれる話をしたいと申し上げましたが、それがここからの話です。余計な話が長くてすみませんでした。

 

(「伊能忠敬さんには敵いませんが」からの続き)

 

 朝、電話が鳴りました。まだ7時です。上班(始業)時間は8時30分です。この時間はまだ寝ている時間です。通勤時間は全くかかりませんからね。

 

 妻がこんな時間に電話して来る筈はありません。父母は国際電話の掛け方を知らないので、家からの電話では無い筈です。またあのボンクラかと想いながら電話に出ました。

 

 「はい」。案の定、「おい、何でさっさと電話に出ないんだ、寝てたのかムキー」、営業部長です。「勘弁してくださいよ、こちらはまだ7時ですよ」、「えっ、あっ、悪かったな」、「で、何でしょう」。

 

 「お前子供が生まれたんだってな」、「はい」、「扶養届出したのか」、「いえ、出してません」、「何で出さんのだムキー」、「如何すれば良いんですか、出しようがありませんけどプンプン」。

 

 怒る前に、「おめでとう」の一言くらい言えよプンプン。「仕方ないな、ファクスで送ってやるから書いて送り返せ、書き換えて出してやるわ、判子はあるのか」、「机の中にある筈です」。

 

 「健康保険の扶養申請もしなきゃいかんだろプンプン」、「あ、そうですね」、「何がそうですねだムキー」、「すみません」、「書類用意して会社に送ってもらえ」、「解りました」。

 

 「全く、ちゃんとしてくれよムキー」、「すみま・・・」、ガチャン。チョット腹が立ちましたが、頭に無かった私にも非があるのですから仕方ないでしょう。それにしても・・・。

 

 「おめでとうの一言くらい言えないのかムキームキームキーと毒ずく白楽雲。ちょっと早いですが、着替えて事務所に行きました。 

 

 家に電話しました。母によると、父が生まれた翌日に仕事を休んで、健康保険の手続きを名古屋まで行って済ませたとの事。控えを会社にFAXすれば良いと言われたとの事でした。

 

 直ぐ営業部長に電話をし、事の次第を報告すると、「何だと、何で勝手な事をしてくれたんだ、馬鹿ヤロ~ムキー」。俺に言ってんのか、それとも父に言ってんのか・・・。

 

 「でもFAXすれば良いって・・・」、「総務部の仕事だろ~が、勝手な事しやがって、許されると思ってんのかムキー」、「如何すれば・・・」、「総務と相談するわ、ったく」、ガチャン。

 

 私はすぐ家に電話し、「会社に怒られちゃったよ、余計な事したって」、「そんな事言われても、病院が直ぐ手続きしてくれって言うから」、「でも、一分一秒を争う事でもないでしょプンプン」。

 

 暫くの沈黙の後、「お前には隠してたけど、子供は今、危険な状態なのよ、医者から最悪の事態を覚悟してくれって言われているの」、「何んで・・・びっくり」。そんな事情を知らず私は・・・。

 

 2週間もの間、浮かれて、燥いで、飲みまくって、大馬鹿者でした。

 

 暫し気を落ち着かせて、営業部長に電話し、私の親としては息子の仕事に支障が無い様にと、更に、已むに已まれぬ事情があったのだと説明したのですが・・・。

 

 「お前の子供の事なんて如何でも良いんだ、正規の手続きを踏まなかった事が問題だって言ってんだ、総務に何て言ったら良いんだ、え~、俺の顔をつぶす気かムキー」、「・・・」。

 

 私は怒りに震え、「私如きの子供の生死など、取るに足らない事ですよね、御迷惑をかけて申し訳ありません、如何様にも処分してください、お気の召す様に」、ガチャンムキー

 

 営業部長の態度で、未だ総務と話していないと踏んだ私は、直ぐに総務部に電話しました。

 

 タイミング良く総務部長(常務)が出ました。私は事情を説明し、「先程営業部長に叱られてしまいました、本当に申し訳ない事をしてしまい、どうもすみませんでした」。

 

 総務部長は、「そんな事言ってる場合じゃないだろ、一時帰国させて貰ったらどうだね」、「仕事の事があるので、そんな簡単にはお願い出来ませんよ」。

 

 「まぁ~、私が口出しする事ではないが、健康保険の事は気にするな、仕事が減って好都合だ、仕事なんて放っといて、子供の事を考えてあげなさい、元気になると良いね」。

 

 「ありがとうございます、宜しく御願いします」と、受話器を優しく置いた白楽雲。

 

 勝手に涙が零れて来ます。もうそろそろ通訳の全君がやってくる時間です。「ちょっと待っててくれ」と書置きをし、宿舎に戻り顔を洗い気を静めようとしても・・・。 

 

 止めどなく流れる涙・・・、止めるのを諦めました。私は娘の顔すら見る事が出来ないかも知れないのです。 

 

(つづく) 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 古代風水に興味をお持ちの方は「風水の真実をあなたに!!」で、簡単に紹介しております。更に詳細を知りたい方は、下のバーナーをクリックしてね。

 

白楽雲

 

 

お気に召したらクリックして下さいね。

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 風水生活へ
                    にほんブログ村