(「土足で上るんかい」からの続き)
翌朝、目を覚ますと、隣で寝て居たはずの妻の姿がありません。
さては逃げたかと布団を触ってみるとまだ温かい。左程遠くへは行っていないと判断した私はすぐさま探索を開始したのであります。
大瀬戸捜査網を敷いたのです(おいおい、隠密同心か
)。「御下命 如何にても果す可し 、尚、死して屍拾う者無し、死して屍拾う者無し」(何の話だ、いい加減にしなさい
)。
そう言えば先日亡くなった松方弘樹さん扮する、左文字右京のセリフ、「てめえらの様な血も涙もねえ人でなしに、明日のお天道様を拝ませる訳にはいかねぇ」って、カッコ良かったな(御冥福を祈ります
)。
急いで階下に降りると、キッチンで母と一緒に朝食の支度をしています。まぁ～、ほとんど母が作るのを見てるだけ～。母が何か言うと「うんうん」頷いてるけど解るんかい
。
この当時、妻は日本語を全く理解出来ませんでした。昨日の失敗を挽回しようと居ても立っても居られなかったんですね。健気な妻でした(過去形かよ)。いやいや、今でもね
。
平日、私は名古屋の本社に出勤。両親も働いていましたので、日中、家には妻だけです。退屈だろうとスカパーの中国放送を契約し、中国語と広東語のＤＶＤも用意しました。
休みの日は観光やらショッピングに連れ廻したのですが、一番喜んだのがショッピングです。デパート・スーパー・家電量販店などのハシゴです。何処に行っても驚いてましたよ
。
中国との違いは、まず、何処に行ってもゴミが落ちていない事。中国ではポイ捨てが常識。皆さんも中国に行ったら郷に入れば郷に従えってね。礼を失してはいけませんからね。
どこの店も店内がとても綺麗な事。中国の一般の店は小汚いですからね。商品には埃がかぶってるし、生鮮食料品には蠅がたかってるし、床には痰やガムが吐かれてるしね。
[ 妻がびっくりしたランキング ] * 私の独断と偏見
３位・・・電化製品の制動確認をしない。中国では制動確認は常識です。
・・・・それだけメーカーや販売店が信用出来ないと言う事ですね。
・・・・壊れた物を平気で売りますから気を付けてね。
２位・・・肉(スライス)や魚(切身)がラップされて売られている事。
・・・・肉は吊るしてある肉塊を切って、魚は一匹丸ごと販売が一般的。
・・・・中国では蠅がたかっていますが、日本では蠅を滅多に見ない。
１位・・・物価が高い。中国の１０倍以上。
・・・・妻の月給は１０００元(当時のレートで約１２０００円)。
服を買うにも躊躇してました。「もっと安い店ないの」と言って、決して買おうとしない妻。仕方なく行き着いたのがファッションセンター「しまむら」です。それでも不服そうでした。
今は違いますが、私の服は「しまむら」です(安もんしか買って貰えんもんな)。そうそう、上下合わせて２千円。２千円の男た～俺の事で～い。って、何言わすねん。
中国では日本で買えるものとほぼ同等のものが１０分の１以下で手に入るんです。日本や先進国が中国にＯＥＭで衣服を造らせているんですが、不良品が横流しされるんですね。
本当はブランドイメージを損なうため許されない事なんですけど中国では当たり前です。不良品と言っても直せば全く問題ないのです。生地はタダ、手直賃がかかるだけですよね。
日本や他の先進国が、中国の人々の衣服の生地代を支払っていると言う事です。
正規品なんて高くて買えませんから、ＣＤ・ＤＶＤ、ブランド品のコピー商品なんかが氾濫するのも解るでしょ。今でも、日本人と同程度の生活が出来る人は１割以下なんですから。
生活に不満が出れば暴動が起こりかねません。役人も賄賂を貰わなければ生活できませんので、目こぼしをするのです。
中国政府も見て見ぬふりをするしかないのです。事情を知っている各国政府も口では文句を言うものの、本気で中国政府に改善を求めません。
今では最重要貿易国と成った中国で政情不安が起ったら死活問題になりますから、持ちつ持たれつと言うところでしょうか。何か腑に落ちませんが、これも必要悪と言うものでしょう。
でもね、そうやって甘やかした結果が、現在の中国を作り上げたと言って良いでしょうね。何時か必ずバブルが弾けるでしょう。全世界もさる事ながら、中国は立ち直れないでしょうね。
私もＣＤ・ＤＶＤを何十枚も買って来ましたが、全て偽物です。これが巧妙な造りでして、価格は１０から２０分の1です。日本の税関でチェックを受けましたが「うん、本物ですね」だって。
神様～、どうか罪深い白楽雲をお許しください。全ては憐れな妻の為だったのです
。
でもね、中国で本物探す方が大変なんですよ。と言うか売ってませんよ。
(つづく)
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