はじめに
東京都文京区本郷三丁目「Personal training studioカメシチ」
管理栄養士兼ピラティストレーナーの吉田尚弘です。
私たちは日常の中で、前かがみになったり、体をひねったりと、さまざまな方向に体を動かしています。しかし「体を横に曲げる=側屈」という動きは、意識的にストレッチをしない限り、ほとんど行う機会がありません。そのため、脇腹や体側の筋肉は使われにくく、硬くなったり弱化したりしやすい部分でもあります。
この“側屈”を無理なく取り入れられるのが、ピラティスの代表的エクササイズ「マーメイド」。
今回は、マーメイドと上級バリエーションである「サイドベント」を通じて、脇腹や腹斜筋、前鋸筋などの働きを解説します。
この記事を読むと、「脇腹を伸ばす動き」から一歩進んで、姿勢改善や体幹強化につながる側屈の真価がわかります。
1. ピラティスにおける側屈
側屈とは、体を横方向に曲げる動作です。
エロンゲーションの意識
ピラティスで行うマーメイドの側屈は、単に体を傾けるものではありません。
背骨を上方へと引き伸ばす「エロンゲーション(elongation)」を意識することで、伸ばす側はしっかりと伸びを感じ、縮む側は腹斜筋が働いて体を支えます。
ただ上体の重さで潰れるのではなく、筋肉のアクティブな伸張を感じることが大切です。
呼吸のポイント
側屈では呼吸も重要な要素です。
息を吐きながら側屈し、吸いながら戻ることで、胸郭が広がり、肋骨の可動性が高まります。吸気時のエロンゲーションを感じながら、自然な背骨の伸びを意識しましょう。
2. サイドマーメイドの実践
やり方
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背筋を伸ばしてマットの上にあぐらで座ります。
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吸いながら元の姿勢に戻ります。両方の坐骨が均等にマットに触れているかを確認しましょう。
効果
マーメイドでは胸椎の回旋が入り、肋骨の可動性が向上。胸郭が広がり、呼吸もしやすくなります。
背筋を伸ばしやすくなることで姿勢も改善し、猫背解消にも効果的です。
腹斜筋の働きを感じながらエロンゲーションを保つことが、よりしなやかな側屈動作へとつながります。
3. サイドベントとは?
サイドベントは、マーメイドのような側屈要素を持ちながら、横向きで行う体幹強化エクササイズです。
脇腹や肩周り、体幹をバランスよく鍛えることができます。
やり方(膝を伸ばすバージョン)
この時もエロンゲーションを意識し、下側の腹斜筋で体を支える感覚を持ちましょう。
主な作用
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下側(縮む側)…腹斜筋・腰方形筋が働き、体幹を支える
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上側(伸びる側)…体側全体をストレッチ
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肩周り…三角筋・前鋸筋・回旋筋腱板が安定性を作る
サイドベントは「伸ばす」と「鍛える」を同時に実現する、非常に効率的な動作です。
4. 肩を支える筋肉「前鋸筋」の役割
サイドベントで多くの方が難しさを感じるのが、支える側の肩です。
特に女性は、肩や首に力が入りすぎて痛みを感じるケースも少なくありません。
その原因の多くは、「前鋸筋(ぜんきょきん)」の弱さにあります。
前鋸筋とは?
肋骨から肩甲骨にかけて位置する筋肉で、肩甲骨を前方へ押し出す働きを持ちます。
「ボクサー筋」とも呼ばれ、パンチ動作でよく使われる筋肉です。

サイドベントでの働き
手で床を押す際に前鋸筋が働くことで、肩甲骨が安定し、首や肩の過緊張を防ぎます。
この筋肉が機能しないと、首や僧帽筋に余分な負担がかかり、肩の痛みにつながります。
つまり、サイドベントを快適に行うには「脇腹+肩の押す力」を同時に意識することがポイントです。
5. サイドベントの効果まとめ
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腹斜筋の強化 → ウエストラインの引き締め
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体側のストレッチ → 背骨・肋骨の柔軟性向上
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肩周りの安定化 → 首・肩の負担を軽減
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体幹バランスの改善 → 姿勢・腰痛予防
サイドベントは、引き締め・柔軟・安定の3つを同時にかなえる万能エクササイズです。
おわりに
日常生活の中で、脇腹や体側を意識的に動かすことはほとんどありません。
しかし、ピラティスのサイドベントを習慣にすることで、普段眠っている筋肉を活性化し、しなやかで引き締まった体づくりにつながります。
まずはマーメイドで体側を伸ばし、慣れてきたらサイドベントへステップアップしてみましょう。
肩周りの前鋸筋を意識できれば、首や肩に負担を感じず、スムーズに動作できます。
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