Gick Lee | 歩いても歩いても象

Gick Lee

ぎっくり腰とは長いつきあいになりそうだ。

そこで僕は愛着をこめて、ぎっくり腰のことをGick Lee (ギック・リー)と呼ぶ。


もう大丈夫だと思って今日こそはと社会復帰を試みた。
四日ぶりにあびる日光は僕に光合成の能力を与え、どこまでも続く外はまぎれもない”外”だ。
外はどこまで行っても外であることに気づかされる。
内はちょっといけば外にでるが、外は果てしない。


僕の歩みのたどたどしさに友人達は大爆笑した。
それでも僕はこの歩みがうれしくてたまらない。
ウサイン・ボルトにはわからないだろう。
速く走ることだけが金メダルじゃないことを。

しかし

お昼に様子は一転。
ぶりかえしやがった。
Gick Leeが。

家路に急ぐ。しかし足取りは重い。
傘を杖にしてヨボヨボと歩く僕に女子高生達はくすくす笑う。

ウサイン・ボルトがうらやましい・・・・

その後、旧ソ連の軍事施設みたいな接骨院に行き、わけのわからん電気を当てられ、だいぶ回復する。

帰りの足取りが軽い。
ウサイン・ボルトにはわからないだろう。
速く走ることだけが金メダルじゃないことを。

どうやら、完全に回復するまで一ヶ月かかるらしい。
しかも経験者の話からすると、癖になるらしい。

GIck Leeよ。
お前とは仲良くできそうだぜ。