さて、話は再びロンドンのコートールド・ギャラリーに戻って。
ここは比較的小規模な美術館。
はじめてやってきましたが、美術館というよりも、ロンドン大学の研究室の一つでした。
そしてこの絵が有名。
マネの『フォリー=ベルジェールのバー』(1882)。
でも僕の目当ては、この美術館にある2点のブリューゲル作品でした。
それがコチラ。
ピーターブリューゲル(父)(1525~1569)「姦通女とイエスキリスト」
1565年(ブリューゲル(父)が40歳の時の作品だそうです。
ブリューゲルはこの絵をグリサイユという画法で描いているそうで、グリサイユは13世紀から使われている古典的な画法。
キャンバスという平面の上にあたかも立体物があるように表現する手法です。
今でも、遊園地なんかで彫刻があると思って近づいたら絵だったというグリサイユ画法の実施例があります。
グリサイユとはフランス語で灰色を意味します。
ベースを白から灰色から黒の階調で描き、更にその上に色を乗せて立体を表現して行きます。
このように線ではなく面で構成して行くのであたかも立体に見える表現が可能なのです。
そうしてもう一点。
ピーターブリューゲル(父)の「エジプトへの逃避の風景」1563年という作品。
遠くに山々や海か湖のようなものがみえる山道をロバに乗った年おいた女性がエジプトを目指しているという作品。
当時もエジプトは聖地のひとつだったんですね。
そうしてもう一点は、ルーベンスの作品。
「ヤンブリューゲルと家族の肖像」(1613~1615)という作品です。
公私ともにブリューゲル一家と親しかったルーベンスがブリューゲル一家を描いたものです。
ヤンはピーター・ブリューゲルの息子です。
他にもこの美術館で目についた作品をいくつか。
ゴーギャンの作品もいくつか。
いずれも初めて見るものばかりでした。
こんな作品もありました。
今日は松任谷正隆さんが所属していたTIN PAN ALLEYの曲と歌いかがでしょうか?
気がつくと5月ももう下旬。
時の流れに負けないように、それなりにお互い良い日々を過ごしていきましょう。