心臓手術 安心感 | ラフィーネさんのブログ

心臓手術 安心感

昨日、子供の心臓手術が無事終了しました。
まず驚いたのはその時間の長さです。

7:30~8:00 執刀医のK先生来室
大学病院担当医のO先生方が来室
8:30 子供が手術室(ICU)に入るのを見送る
10:00頃 麻酔等の準備が終了し実際の執刀が始まる
16:10 K先生、O先生がそろって待合所に来られ、
手術の成功が伝えられる
16:30 本人と面会(麻酔中)、手術の説明を受ける

素人のT生には手術の経緯は想像するしかありませんが、
少なくとも6時間、手術室の先生方は、
緊張の時間を強いられていたということになります。

ICUに入って8時間40分、なすすべなく待つのみ。
まんじりともせず時間を刻むだけの1日でした。
しかし、K先生のにこやかな温顔を拝見して、
感謝の思いでただただ頭を下げるばかりでした。

改めて大手術だったのだなと実感したものです。


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(バラ、きれいな色ですね)

子供の病気は心臓弁膜症、
中でも僧房弁閉鎖不全症というものです。
心臓の左心房、左心室の間に僧房弁という器官があり、
動脈と静脈を切り替える役割をしています。
これが完全に閉まらなくなり(閉鎖不全)、
血液の逆流が起こる病気です。

そこで僧房弁がきちんと閉まるよう作り直すわけですが、
うまくいかない場合は人工弁に置き換える手術に変更。
その時は国が認定する1級の障碍者になります。

この手術、別の病院で2回中止になりました。
子供はセカンドオピニオンを求めてK先生を尋ねます。
K先生は心臓弁膜症手術の専門家です。
子供の求めに応じて手術をしていただくことになりました。

その際K先生が手術場所としたのがK大学病院でした。
この病院はポートアクセス法という低侵襲手術で有名です。

普通、心臓手術は胸骨の中央を切断して行います。
したがって、術後は胸にタテの大きな傷跡が残ります。
ポートアクセスでは右の乳房の下を6cm切るだけです。
そこから内視鏡を使い心臓に施術します。

非常に高度な技術を要しますが、
患者の体にやさしい手術法と言えます。

「僧房弁形成術は決して簡単な手術ではありませんが、
お任せください。大丈夫ですよ……」

病態と手術法をPCの画像で簡単に説明し、
この言葉で締めくくってくださいました。
「この安心感……!」何とも言えないものがあります。

手術の2日前、K大学病院講師のO先生が、
手術前の説明をしてくださいました。
手術の承諾書にサインをするに際しては、
手術がうまくいかない場合のケースも話します。

医療過誤で訴えられることもありますので、
病院としては当然のことです。
特に僧房弁形成術がうまくいかなかった場合、
手術は僧房弁置換術に切り替わります。

その際、動物の生体弁か人工弁を使用するのですが、
その選択は患者にゆだねられています。
現段階では一長一短で断言は難しい状況です。
その場では結論が出ず、一考することになりました。

同じ日の夕方、手術の打ち合わせでK先生が来られ、
病室にも立ち寄られたそうです。
息子はこの話をK先生にし、相談したそうです。

「どちらでもいいですから、書いといてください。
おそらくそのようなケースはありませんから……」
こともなげにこう答えたとのことでした。

「この安心感……!」、こう漏らし、
息子は改めて安堵したのでした。

今回の手術では患者家族として、
考えさせられることが多々ありました。
機会を見ながら報告したいと思っています。