楽しみながら医療知識を身に着ける | ラフィーネさんのブログ

楽しみながら医療知識を身に着ける

最近の小説には「メディカルエンターテイメント」
というジャンルがあるのだそうです。
医師でもある作家・海堂尊の作品がその最たるものです。

ところで医療用語を正しく理解するのは難しいものです。

世にたくさん出ている病気の解説書を読もうとしても、
素人にはなかなか簡単には理解できません。
途中で挫折したという方も多いのではないでしょうか。
かくいうT生もその一人です。

この“正しい理解”のためにおすすめなのが、
映画やTVドラマを見たり、医療小説を読むことです。

先日、映画でも見ようとビデオショップに行ったときに、
なにげなく次の2作品を手に取りました。

A:「チーム・バチスタの栄光」(2008、東宝)。
B:「ジェネラル・ルージュの凱旋」(2009、東宝)。

Aは心臓病のバチスタ手術と死亡時医学検索、
Bは救命救急医療がテーマになっています。

これがすこぶる面白かったので小説も読んでみました。
すると小説のほうがさらに面白かったのです。
(宝島社から文庫本が出版されています)
  
筆者は医師ですから使う医療用語に手加減はありません。
しかし、人物描写や構成がすぐれているので、
ストーリーの力であっという間に読ませてくれます。

読了後、医療用語への拒否感はなくなっていました。
はからずも“楽しみながら専門用語に親しむ”
という結果になったのです。

こうなると別の作品が読みたくなります。
「ナイチンゲールの沈黙」(宝島社文庫)は、
医師不足が言われている小児科が舞台です。
これも面白さにつられて1日で読了してしまいました。

眼球内に発生する悪性腫瘍、つまり小児がんともいうべき
網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)という病気も
この小説によって初めて知りました。

海堂尊はエンターテイナーとして優れた作家ですが、
ある対談で次のように語っています。

「いま私が書いているのは社会の枠組みと医療の根源的
な問題点についてです。ですから、緊急医療であったり、
小児科であったり、産婦人科であったり、いちばん大変
そうなところを題材にして書いているわけです」

つまり海堂尊の目を通して医療現場が抱えている
問題点にも触れることができるわけです。

病気へのアプローチの仕方はいろいろあるでしょうが、
楽しみながら知識を身に着けて、自分の問題を整理し
てみるというのも一考ではないでしょうか。



ラフィーネさんのブログ-ジーン

T生はこれからビデオ屋に行き、昨年上映された
「ジーン・ワルツ」(新潮文庫 / 2011、東映)を
借りに行ってきます。

こちらは産婦人科の現況と不妊治療がテーマ。
小説はすでに準備しました。楽しみです……!