樽山節考 80歳で入れ歯なし
「80歳になった時、あなたは何本の歯を残したいですか?」
歯の健康キャンペーンでよく見かける言葉です。
シニアのパソコン仲間・Kさんは80歳、驚くほどにお元気です。
「私ね、この年になってもまだ入れ歯をしていないのよ」
いやぁ、なんと素晴らしいことか…!
59歳のT生はしっかりと入れ歯が入っています。とほほ…((+_+))。
「この間、木下恵介監督の『樽山節考』をテレビで見たの。
懐かしかったけれど、ちょっと身につまされたわ……」
「姥捨」伝説にもとづく深沢七郎の同名小説は2度映画化されています。
Kさんがご覧になったのは最初の1958年版(2作目は1983年)。
田中絹代が主演。貧しい寒村、時代設定は江戸時代でしょうか。
老人は70歳になると口減らしのために山に捨てられるという話です。
主人公のおりんは69歳、間もなくお山に行かねばならない年齢ですが、
1本の歯も欠けていないくらいに丈夫な体でした。
現代であれば理想的に老いたといえる女性でしょう。
しかし、おりんは自らを恥じ入ります。
「自分は歯が丈夫で何でも食べることができる。
そろそろ山に捨てられる年齢なのにぶざまだ」という思いです。
この状況でKさん注目のシーンが始まります。
「主人公の田中絹代がまだ歯の欠けていないことを恥じてね、
自分で石臼に歯を打ちつけ、欠けさせてしまうのよ。
私も来年、歯を欠けさせなきゃいけないかしら……(笑)」
こう冗談っぽく、笑わせてくれるのでした。
主人公の老婆・おりん役を演じた田中絹代については、
歯を折る場面のために前歯を抜いた熱演が伝えられています。
(見事に実ったピラサンカの実、東京)
「映画は作り話かもしれないけれど、現代に生きる私たちは幸せね。
日々のケアを怠らなければ、健康でいられるのですから……」
図書館の本の修理、子供たちへの童話の読み聞かせなど、
Kさんは80歳の今もボランティア活動にいそしんでいます。
スーパー・シニアのお一人と言ってもいいでしょう
ところがこのKさん、意外なことに幼いころは病弱で、
小学校を卒業するのに7年もかかっていたのでした。
その後の長年にわたる健康への気遣いで丈夫になったのだそうです。
「なかでも若いころに続けた厳しい踊りのけいこが足腰を鍛えてくれました」
そういえばKさん、いつも背筋がピシッとしています。
病気と健康の関係、考えさせられますね。
歯の健康キャンペーンでよく見かける言葉です。
シニアのパソコン仲間・Kさんは80歳、驚くほどにお元気です。
「私ね、この年になってもまだ入れ歯をしていないのよ」
いやぁ、なんと素晴らしいことか…!
59歳のT生はしっかりと入れ歯が入っています。とほほ…((+_+))。
「この間、木下恵介監督の『樽山節考』をテレビで見たの。
懐かしかったけれど、ちょっと身につまされたわ……」
「姥捨」伝説にもとづく深沢七郎の同名小説は2度映画化されています。
Kさんがご覧になったのは最初の1958年版(2作目は1983年)。
田中絹代が主演。貧しい寒村、時代設定は江戸時代でしょうか。
老人は70歳になると口減らしのために山に捨てられるという話です。
主人公のおりんは69歳、間もなくお山に行かねばならない年齢ですが、
1本の歯も欠けていないくらいに丈夫な体でした。
現代であれば理想的に老いたといえる女性でしょう。
しかし、おりんは自らを恥じ入ります。
「自分は歯が丈夫で何でも食べることができる。
そろそろ山に捨てられる年齢なのにぶざまだ」という思いです。
この状況でKさん注目のシーンが始まります。
「主人公の田中絹代がまだ歯の欠けていないことを恥じてね、
自分で石臼に歯を打ちつけ、欠けさせてしまうのよ。
私も来年、歯を欠けさせなきゃいけないかしら……(笑)」
こう冗談っぽく、笑わせてくれるのでした。
主人公の老婆・おりん役を演じた田中絹代については、
歯を折る場面のために前歯を抜いた熱演が伝えられています。

(見事に実ったピラサンカの実、東京)
「映画は作り話かもしれないけれど、現代に生きる私たちは幸せね。
日々のケアを怠らなければ、健康でいられるのですから……」
図書館の本の修理、子供たちへの童話の読み聞かせなど、
Kさんは80歳の今もボランティア活動にいそしんでいます。
スーパー・シニアのお一人と言ってもいいでしょう
ところがこのKさん、意外なことに幼いころは病弱で、
小学校を卒業するのに7年もかかっていたのでした。
その後の長年にわたる健康への気遣いで丈夫になったのだそうです。
「なかでも若いころに続けた厳しい踊りのけいこが足腰を鍛えてくれました」
そういえばKさん、いつも背筋がピシッとしています。
病気と健康の関係、考えさせられますね。