一期一会 オーラに中る | ラフィーネさんのブログ

一期一会 オーラに中る

会報誌『らふぃーねさん』のバックナンバーを読み返していたら、
俳優・江守徹さんが6回も登場していただいていました。

江守さんといえば今や文学座の重鎮ですが、T生は舞台というより、
NHK大河ドラマとそのナレーションに親しんでいました。
風貌もさることながら、なんたって声が渋いですよね。
隠れファンのT生はその声にしびれ、朗読CDを何枚か持っているほどです。

そんな興味からMさんにどんな取材だったのか聞いてみました。
初めての時、これがなかなか“大変”だったようで……!
なにが大変なのかって? 
どうもMさんは、江守さんのオーラに中てられてしまったようなのです。
(さもありなん――隠れファンT生の声!)

「インタビューをして、初めて緊張してしまいました。お会いしているうちに、
そのオーラというか、独特の雰囲気に冷や汗が出てきたのです」

Mさん、決して新人記者ではありません。
インタビューで緊張したのは、これ1回きりだそうです。
というより、実はベテラン、会報の責任者なのでした。

「江守さん、別に偉ぶっているわけではありません。
質問するとじっと考え、丁寧に答えてくださる。実に謙虚なのですが、
間の取り方というか、独特の空気感が漂い、言葉が迫ってくるんです」

会社に戻り、席に着いたとたん汗が引いたからでしょうか、
Mさんは寒気がして熱が出てしまい、早退してしまったのでした。

そこで、同伴した別のスタッフに「どうだったの?」と聞いてみました。
「えっ? Mさん、いつものようにインタビューしていましたよ」とのこと。
この緊張感、Mさん一人だけのものだったようです。



ラフィーネさんのブログ-20111109

(東京信濃町・文学座 アトリエ)

この話を演劇好きの知人にしましたら、
「江守徹かぁ…、40年も前の話だけれどもね、信濃町の文学座で、
アトリエの会(小劇場)が行われていただろう。時折見に行ったんだ。
入り口横には和服姿の杉村春子が座っていてさ、その横で若き日の
江守徹がにこにこしながらスリッパを来客に配っていたよ。懐かしいね」

こんなこと、その時、その機会に恵まれなければ得られません。
一期一会とはよくぞ言ったものです。
Mさん、取材記者でなければ得られない感覚…、幸せでしたね。