シニアとパソコン① | ラフィーネさんのブログ

シニアとパソコン①

シニアのパソコン指導にかかわって7~8年になります。  パソコン

お年を召した方の多くは、「パソコンなど、自分とは縁なき物」と、
思っておられるでしょうが、実は、これがそうとも言えません。

T生の母親は北海道の田舎で一人暮らしをしています。
80代の半ばとはいえ、本人、気ままな一人暮らしがいいようです。
まだ元気なのでそれほど人様のお世話にはなっていませんが、
ひとつだけ、少し離れたお隣にお願いしていることがあります。

北海道の家はその寒さゆえ窓が二重になっています。
毎朝、その内窓が開いているかを確認してもらっているのです。
つまり、窓が開いていれば「元気だよ」という合図になっているのでした。

まあ、隣家の窓が見える程度の距離ならばこれでいいのですが、
地方の過疎地ではこうはいきません。
これを解決する一つの手段が「パソコン」です。

「今日も元気」メールを自分で送れれば、隣家に頼らなくてもすみます。
無料テレビ電話ともいうべき「Skype(スカイプ)」が使えれば、
遠隔地の子供や孫、さらに友人とも顔を見ながら話せます。
食料や日用品の買い物もネット経由で注文できます。


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「電話があるじゃないか」と思う方もおられるでしょう。     電話
しかし、年寄りにはこれがなかなかうまくいかないのです。

電話は、その場で相手を必要とします。
先方は仕事中、いつもゆっくりとは相手をしてくれません。
しかも上手に話せなかったりして、受け手が要領を得ないことも多く、
年寄りにはなかなか面倒な作業なのです。

その点、パソコンは自分のペースでゆっくりと作業ができます。
相手を気遣い、遠慮する必要もありません。

このようにパソコンはいいことずくめなのですが、
年寄りにはなかなか使いこなせません。

T生も何度母親にパソコンを勧めようと思ったかわかりません。
近くに住んでいれば、繰り返し教えることができますし、
また、パソコンのメンテナンスもできるのですが、
北海道と東京ではこれがかなわず、情けなく思うばかりです。

地方行政の中で「医療のネットワーク」作りが言われています。
必要最小限の機能で、シニアでも簡単に使えるパソコン、
この開発こそが老人医療の簡素化を大いに進めるのではないかと、
ひそかに思っているのですが……。