「平成の米騒動」が研究者としての原点 | ラフィーネさんのブログ

「平成の米騒動」が研究者としての原点

世の中、いろいろな仕事をしている人がいますが、
なぜその仕事を選らんだのかという「原点」を持つ人は幸せです。
仕事の選択、行動に迷いがないからです。

Nさんの原点は「平成の米騒動」(1993年、平成5年)でした。
お米を買いに走った皆さま、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。

この年、日本は記録的な冷夏による凶作で、米不足に陥りました。
タイ米を緊急輸入することになり、日本人の口に合わないことから、
その扱いを巡って大きな社会問題にもなりました

「どんなに寒くとも米が取れるにはどうしたらいいか」
「冷害に強いコメを作らないとダメだ」
農学部の学生になったばかりのNさんはそんな思いにとらわれたといいます。
それだけに研究者への道は自然だったようです。

新しい品種を作るというのは大変時間のかかる仕事です。
さらに、新しい品種ができたとしても市場に出て、
一般の人が食べられるようになるには10年はかかるといいます。

イネゲノム・プロジェクトもその流れの中で参画しました。
イネの遺伝子をすべて解明し、さらに寒さに強い遺伝子を見つけ、
それを利用して冷害に強いイネを作ろうというのです。


ラフィーネさんのブログ-金木犀

(金木犀の香り……、秋ですね)

興味深いのは、その活動が研究室の枠内にとどまらなかった点です。
この辺が「原点」を持つ人の強みじゃないでしょうか。
研究そのものが目的ではなく、「冷害に強いコメを作ること」が目的なのです。

「冷害が起こると、東北・北海道のお米は全滅だと思いがちでしょう。
ところがそうじゃない。ちゃんと収穫を上げている農家もいらっしゃる」

なぜなんだろう?
そこから農家への聞き取り調査が始まったといいます。

農業の匠(たくみ)の話は、聞いて楽しかったでしょうね。
心が躍ったでしょうね。
ひと晩、語り明かしたこともあったといいます。

どんな話なのか、興味がそそられますね……(つづく)。