鼓動の音 耳に刻み込んで
生きている、生きている
言い聞かせながら 此処まできたよ


抱かれていた腕 無くなった音域
一筋のライン 辿る過去
見る暇もなく 此処まできたよ



戻ることのない 横たわる私を踏んで
貴方が残していった 優しさ抱いて





あの日 あの時 止まった拍
刻み込んで 刻み込んで
だけど 泣かないで此処まできたよ


飛沫あがる 夕暮れに
朝焼けが降り積もる 白い箱
焼き付いた瞼で 此処まできたよ




戻れるはずもない 横たわる貴方を抱いて
貴女が寄越した 痛みすら飲み込んで





夜を越えて 朝を詰って
貴方を忘れ ∞のループに揺らされて 
嗚咽を捨てて 此処まできたよ


望まれていた希望 見えない言葉
隠されていく真実を 更に隠し
騙されたふりして 此処まできたよ




戻りたい この腕の亡骸を抱く前
私が望んだ この未来をゼロに戻して



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


私の切ない胸の音を 耳に刻み込んで
死んではいけない、死んではいけない
言い聞かせながら 此処まできたよ


かつて抱いてくれてくれた腕
しゃがれ変わってしまった声
止まった心臓の音を示すライン
思い返す あなたのいた過去
懐かしむ暇もなく 此処まできたよ


戻ることのない 悲しみに沈められた私を忘れて
父がかつて浮かべいた 微笑みだけを抱いて



あの日 あの時 止まった脈
死んだ、死んだんだ 胸刻み、言い聞かせて
それでも、泣けないで此処まできたよ


父の血飛沫が飛び散った 病室を
息をしない父に朝焼けがやってくる 病室を
目に焼き付けたまま 此処まできたよ


生き返るはずもない 死に絶えた父を背負って
母が痛心の在処に私を選んだことも 許して



暗闇を泣いて越えて 泣けない朝を呪って
父を思い出さないようにして
母と思い出に痛めつけられる∞のループを辿り
泣くことすら忘れて 此処まできたよ


託された未来 それが何かすらわからない
教えられていた嘘を 自分で上塗りして
騙されたふりをすることしか出来ないまま
此処まできたよ



戻りたい
父の死を背負う前に

苦しむ父を楽にしてやりたい
(=死なせて楽にしてやりたい)

こんなこと未来を望んでいた
あの頃の私を殺してでも