蛍光灯の加減で うちのお風呂は
少しだけあわいオレンジ色
その中で 思い出した言葉がありました
いつも言えない言葉
いまも言えない言葉
「 いかないで ここにいて 」
いつもいつもいつもいつも
この言葉がいえない
今日もいえなかった
後になれば いいたくなるのわかっているのに
今日も そのときの感情で
大ちゃんが折角、
やっぱり今週末会おう
疲れなんてしるか!
って、バイト先についた私にメールくれたのに
そう思ってくれたことだけでいいんだ
って、本当に思ったから
疲れてるなら無理しないでいいよ
って、久しぶりの夜の電話
ふわり、流れるみたいにいってしまった
その後も、大ちゃん寝ぼけてるから
もういいよ、おやすみ
って、いって電話切っちゃって
久しぶりだったのに
今週ずっとずっと寂しかったくせに
会いたかったくせに 本当は逢いたいくせに
どうして、後からでてくる本心
いつもいえないままなんだろう
いいたかったくせに
叶わなくても、いってみたかったくせに
「 もう少しだけ 一緒に話そう 」
いえばいいのに
叶わなくても、いうことに意味があるんだよ
空ちゃんにも、そーちゃんにも、さとちゃんにも
トニーにも、みんなにいわれているのに
結局、あれからいくつわがままをいったんだろう
本当にかなえたいわがままはいくつあった?
昔も 今も 変わらない
この癖はいつになったら治るんだろう
本当は私、治す気あるんだろうか
今のこの病気も、薬に頼る毎日も
学校にいけないことも
何もかも、どれだけ変えようと思えてるんだろうか
毎日、なんのために
この体は、薬をもらってるんだった?
学校にいくためだったはずなのに
結局、私は今も家にいる
手に、悪気のない生き物に赤い筋をつけてもらって
傷だらけの右腕
自己嫌悪に陥らないように 逃げた証
生きている証拠と偽って逃げているだけなのかな
そう思ったら、かきむしってしまいたくなった
逃げないと決めたのに 私はどれだけ進んだのか
逃げて逃げて逃げて その先
行き止まりにたどりついたらどうしよう
何かをなくすことを怖がって 結局何も始められてない
そんな弱気を呼び起こす 思い出のオレンジ
あのとき導いてくれたオレンジはもういないのに
過去も今も大事にしたいというのは
わがままでしょうか
あおいろもオレンジも 過去でも今でも
もう何もなくしたくないと しがみつく私は
おろかでしょうか
歩いているつもりで 逃げているんじゃないかと
そんな弱い自分に酔いしれているんじゃないかと
今日、淡い優しいオレンジの中
ふと、怖くなりました
しあわせのあとの あわい余韻であればいいと
今日は願って眠ろうと思います
飲み続けているデパスとレンドルミン
満足のいかない眠りだから
きっと、朝目がさめても
いつまでたっても どろどろの中にいるんです
もう少し 強くなれたら
ゆれるオレンジが確かなものになったら
そのときは、一度手放してみようかな
そういいながらも そんな日が本当にくるのか
今は自信がないことを
二度目の編集でないといえない私が
なぜだか今日はとても悲しい
そんな日もあるさ!って、笑い飛ばしながら
やっぱりどうしようもなく切ないのは
なんていっていいかわからないけれど
お風呂のお湯に反射した光に
それでいいんだと、
微かに微笑んだのは
誰だったのかな