どうしようもない叫びの行方を追って
目に見えない 私の背を蹴り飛ばした
今必要なもの 今必要だった言葉
たった今、私が叫んでくれた言葉すらなぎ倒した
私が今、現在ここに在れるのは
過去の私の屍が私の足元を支えていてくれているから
あの日 あの時 我慢し続けていた私は
今もまだ私の下でもがいて 苦しんで 我慢して
君を開放するための鍵はどこに落としたんだろう
君はいったい何を望むのだろう
磨り減ったローファー、制服のスカート
それとも帰り道の寂しさ
見果てぬ大地で君が声を枯らす
届かない願いや想いを叫ぶ
その度にその響きは私を泣かせて
私はまた眠れない夜を一つ積み上げ続けるのだろう
一生の中で幸せを感じるたび
あなたの悲しそうな笑顔が目に浮かぶ
私が犯した罪の深さから私はまだもがき、逃げる
あなたの腕の中はさぞかし冷たいのでしょう
今もまだ雨降りの中、傘もささずに微笑んでいる
隣においておいた傘は踏まれてしまって
もう、使い物にならない
地面に這いつくばって まるで犬のように服従する
顔を踏まれ 頭を蹴られても あなたは泣きもしなかった
変わったね 何時からだろう
そんな毎日にいつしか終わりが来て
それでもあなたはそこから動こうとしない
動き出したい意思が 今の私を生んで
あなたをそこに置き去りにした
私の半身 もう二度と笑ってはくれない半身
悲しげに瞳を曇らせて もう誰とも目をあわせようともしない
あなたがいる限り 私はいつまでも不安なんだ
あなたがいるから 私はいつまでも抜け出せないんだ
あなたがいる限り 私は、
お願いだから そこから消えて
一つになりきれない あなたを感じるたびに
うまく呼吸が出来ずに 私はまた涙を流す
取り返しのつかない過去を追って
今の私をあきらめることをやめた
過去の私は今もまだ悲しげに目を伏せて
微かに、微笑んでいるだけ
「もういいの」
私の口から溢れて消えるその言葉は
きっと うつむいたあの子の言葉
あなたはいつか私を見てくれるだろうか
そして、幸せを願ってくれるだろうか
恨まれるのだろうか なかれるのだろうか
私は、あの子が
過去の私が
何も思わず 誰にも知られず
静かに消えてしまうことを
本当は何よりも願っていて
だけれど、同じくらい
何よりも、悲しい
私はどこへいくんだろう
あの時の思いは、我慢は、叫びは
結局誰にも届かないまま このまま時が過ぎて
いつの日かまた気づかぬうちに変わってしまって
まるで他人事みたいに、忘れてしまって
降り注ぐ言葉も、目に付く光も
頬をなでていく風も、曖昧になって
私を彩るための言葉だけ 派手になって
きっとあの子を夢にみることも
あの子を思い出しては なくことも
永遠に続くことなんてなくて
今ここで呼吸をする なきそうな私だけ
ただ、ただ、永遠を求め続けるんだね
いつの日かこの手を握り
全ての置き忘れた私を抱きしめてくれる人がくることを
永遠の私は、いつまでもいつまでも
求め続けていくんだね、きっと きっと