ファイザーのRNAワクチンでは筋肉にコロナの遺伝子を入れてウィルスのスパイク蛋白を作らせ、B細胞がこの蛋白に対する抗体を作って感染を防ぎます。

 

SARS-CoV-2はACE2という蛋白にウィルスのスパイク蛋白が結合して細胞に侵入します。抗体はウィルスとACE2との結合を阻止することで感染を防ぎます。このような抗体を中和抗体といいます。

 

でも、結合に関与するのはスパイク蛋白の一部で、結合に関与しない部位に対する抗体もたくさんできます。これら非中和抗体もウィルスに結合することができます。

 

体内にワクチンによる抗体ができているときにコロナに感染すると、抗体に対する受容体をもつ免疫細胞は抗体とともに多くのウィルスをとり込むことになります。

 

また、この受容体刺激によりウィルスを無毒化するインターフェロン(IFN)やNOが抑制され、TNFやIL-6などの炎症誘発因子が分泌され、毒性が増幅します。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5925603/pdf/fimmu-09-00597.pdf

 

その結果、抗体があるとかえってウィルスの感染と毒性を増幅してしまうこともあるのです。この現象をADE (Antibody Dependent Enhancement)と呼びます。

 

ADEはコロナをはじめ様々なウィルス感染で観察され、これを避ける方策が研究されています。ファイザーのワクチンはADEを考慮してデザインされているのでしょうか?

 

ワクチンを大量接種した国で感染と死亡が増えているのはADEのせいかもしれません。人間とウィルスの戦いは一筋縄でいかないのです。

 

 

馬替生物科学研究所 所長

                     第1種放射線取扱主任者
                                  馬替純二