フレームの特性や性能的な違いはとりあえず省いて、現在私が持っているホイールの特性をまとめておこうと思いました。
これからホイールのカスタムを考えている方や、新たにホイールを買おうとしている方の参考になれば幸いです。
※Bontrager Aeolus comp5改
・使用スポーク:SAPIM CX-RAY
・前輪:TNi ウィングハブ(セラミックベアリング)
・後輪:DT Swiss DT350s(スチールベアリング)
・リム重量:540g(アルミリムにカーボンボディを被せた中空構造)
・リムハイト 50㎜
加速性 ☆☆☆
巡航性 ☆☆☆☆
登坂性 ☆☆☆
回転性 ☆☆☆☆
耐久性 今のところノントラブル。落車によるダメージもあったが、微調整で再び振れなしセンターずれなし。タフです。
総括 ベースがアルミリムの為、設計年次が割と前の商品ですが操作性に昔のディープリムにあったディープリム特有の難しさは一切なく、全く素直に乗れます。いまや、そんな事は当たり前ですがそれでも「癖の無い事は素晴らしい」を地でいく良い商品だと思います。
それはカスタム前のフルノーマルの時から色濃く感じられ、最近偶然ノーマルに乗る機会がありましたがとても乗りやすい良いホイールです。
スポークをカスタムした事で、さらに乗り味に磨きが掛かっておりホイール全体の剛性が高まっているのですがCX-RAYの特性もあって多少の路面の荒れなら跳ねにくいです。
その為、リムが重い為に遅くなりそうな、リム重いホイールが苦手な場面でも割と悪くない加速性能を示しリム重量から想像するよりは割と良い走りをします。
DT Swissのスチールベアリングは、セラミックベアリングに打ち替えると間違いなく回転性能はセラミックベアリングの方が上でしょうけれど、それがハンデになっているのか?と疑問を持つほど「割と悪くない。というかコレで良いじゃないかw」というくらいには回ってくれます。
TNiのウィングハブはカンパのUSBほどじゃないにしろ、結構回ります。
一度、室内で自転車をひっくり返して手でホイールを回転させたことがありますが、約8分くらい回ってました。
最後はホイールバランスを取ってない事もあって、エアバルブを起点にエアバルブの重量により止まりかけて~逆回転~とかゆっくりと回り続けていつまでも回ってましたw(最終的にはバルブを下にして止まりますけれど)
※ROVAL Rapide CL50 disc (左:ノーマル時/右:カスタム後)
・前輪:DT Swiss Competition race/SAPIM CX-RAY
・後輪:DT Swiss Competition race/フリー側:SAPIM CX-RAY、反フリー側:SAPIM CX-SPRINT
・前後輪とも、ROVALオリジナルハブボディ。インターナルメカはDT Swiss DT350sだがベアリング外径はワンサイズダウンタイプ。
・リム重量:430g
・リムハイト 50㎜
加速性 ☆☆☆☆/☆☆☆☆と半分
巡航性 ☆☆☆☆/☆☆☆☆
登坂性 ☆☆☆☆/☆☆☆☆と半分
回転性 ☆☆☆☆/☆☆☆☆
純正でもそんなに不満はなかったです。
ただ、少し柔いかな?という感触はありました。
それが欠点ばかりではなく、私のような貧脚サンデーライダーにとっては脚が残せるいい塩梅ではありました。
レーゼロより合ってるみたいで、清滝峠のPRを3分更新した凄いホイールです。
リム重量が軽い為に、ディープリムって重そう…というイメージを持たれている方もいらっしゃるでしょうけれど、実はその逆で…
リム重量が変わらないのならリムハイト高い方が重量が中心寄りの方まで分散する為に、実際に乗ってみると逆に軽いです。
(レーゼロのリム重量も実測した記事などを検索して見てみると、だいたい430g~445gくらいでROVALのこのリムと重量が変わらないんです)
ただ、少し安定性に欠ける印象がありまして、ホイール回転バランス取りを初めてしていただきました。
バランス取り以降は随分乗りやすくなりましたが、時々不安定さを感じる場面がありました。
後でわかったんですが、これがU shape形状の欠点だったんですね。
空気抵抗削減には非常に貢献するものの、横風に弱い。
少し前のリムハイト50㎜ホイールに採用されていたV shapeよりマシみたいですけれど。
元実業団選手だった方のお話しを聞くと、横を抜くダンプに吸い込まれそうになったwとか、横風でチャリごと進路が50cmほどズレたw
という過去のディープリムにまつわる話を聞くとゾッとしますw
それに比べたら天国みたいな安定性ですので、そこは誤解せずにお願いいたします。
元々、レーゼロ歴が長いタイミングの時にこのホイールに買い替えたので、リムハイトが小さい横風の影響を受けにくいホイールに慣れている時の経験だったんで、少し不安定さというか風による横力によって生じるステアリングモーメントなどにギョッとしたんですね。
それでも、そういう点ではAeolus comp5改の方がもう少し素直でした…。意外ですね。
速いホイールには間違いないと思います。
これで20万円は安いんじゃないだろうか!と思います。
そして、スポークをカスタム。
のむラボさんというもの凄い方が大阪にいらっしゃるんですが、その方がブログでありがたい情報を公開してくださっていました。
その記事を参考に、お世話になっているTREKコンセプトストアの店長に無理言ってカスタムしていただきました。
その効果は抜群。
先ほど書いていたノーマルで感じていた不安定さは完全になりを潜める事はありませんが(リム形状に起因していますので)
ほとんど無い。ほとんど無くなった。と言っても良いのではないかと思えるほど、スポークをやり替えた事でホイール全体の剛性が上がった事により…さらに言えば、横剛性がとても高くなったんでしょうね!
エアロスポークで横剛性に関わる方向には弱軸方向にあたる形状しているんですが、不思議ですね。
改造前は、立ち漕ぎするとローターとパッドが擦れて「シャンシャン!」音鳴りが鳴ったりする時もあったのに、改造後は北摂を木器亭まで走る約100kmちょいを走っても一回だけ気を付けて聞かないとわからない程度に「シュッシュッ…」とほんのり擦ってる音が鳴ったくらいまで、そういった現象がおきなくなりました。
また、全体の剛性が上がった事と、張り感が高まった事によりコーナリングがとても安心感のある自信を持って走れる感触に変わりました。
その安心感を持って自信を持って走れると感じる「安全だと感じる速度域」がかなり底上げされて、ビビりかつチキンな私がダウンヒル速く走れるんですよ…恐ろしいですね。
慣れるまで出過ぎる速度に気を付けて、安全運転に邁進いたします(`・ω・´)ゞ
純正でも不満はありませんでしたが、その変わり様に驚きますwww
非常に満足度の高いホイールへとさらに化けました。
私の中で、「ぼくのかんがえるさいきょう」なホイールだったかも知れません。
何故、過去形なのか?というのは次の項目を読んでいただけたらわかります…。私自身、驚きました。
※Bontrager Aeolus RSL37 TLR(フルノーマルです)
・使用スポーク:DT Swiss AeroLite
・ハブ:DT Swiss Ratchet EXP240 ただし、ハブボディはBontragerオリジナルハブボディ
・リムハイト 37㎜
・リム重量:380g
加速性:☆☆☆☆☆
巡航性:☆☆☆☆と半分としておきます。RSL51かRSL62買って試した以降に巡航性の概念が変わる可能性あるので。
登坂性:☆☆☆☆☆
回転性:☆☆☆☆
回転性は、カンパのCULTハブに負けてると思います。たぶん。
しかし、純正のスチールベアリングでもすっごく回ります。USBは超えてるか?どうなんだろう。
そういった性能も凄いんですけれど、そんなこまけぇこたぁ別に良いんだよ!
と言いたくなるほど、完成度の高いホイールだと思います。
新しく生まれたUV shapeと言われる、既存のディープリムに存在したV shapeとU shapeの中間みたいな形状をしています。
空気抵抗低減能力はU shapeのように綺麗に流す。
横風により発生する横力はU shapeの弱点でしたが、それをなるべく発生させずに綺麗に剥離させる事で横力発生そのものを抑える。
SWISS SIDEも協力して生まれた新しいDT SWISSのホイールもUV shapeです。
現在の空力最先端の形状です。
実際に使ってみてどうなのか?
リムハイト50㎜で走る事が多かった為(単身赴任先も地元でもそれぞれAeolus comp5改とROVAL改の為)リムハイト37㎜で巡航性ってどうなんだろう?
せっかくゴリゴリのエアロロード買ったのにセミディープってどうなんだろう?相性良いんかな…。
と不安があったのは間違いありません。RSL37試乗させてもらった時のフレームは新型エモンダだったので。
そんな素人が考える不安なんてどうでもいいw
と思えるほど、素晴らしい性能でした。
実際には、無風状態などで走り続けると素直にリムハイト50㎜のホイールの方が空気抵抗も小さくて速く・楽に走れるんだろうと思います。
しかし現実世界で無風状態なんて、あったとしても一瞬ですよね。
常になんらかの空気の動きがある。
そしてそれは必ず前方からとは限らない。
Aeolus comp5改も、ROVAL改も横風によりステアリングモーメントなどが発生しますが、元実業団選手だった人から教えていただいたようなちょっと前のディープリムホイールみたいなエグイ横力は発生しません。
慣れてしまえば普通に走れます。
慣れとは怖いもんで、50㎜ハイトでも安定しているなぁ…とか思いながら乗っていたんですが、RSL37によるマジでビシッと真っ直ぐ走る挙動を知ると「これが本当に安定して走れるという事かw」と認識しました。
今までのホイールだと慣れていたので不感症になっていただけで、実は地味にちょいちょい横力発生していて、それを無意識に修正しながら乗っていたんですね。
RSL37だとそれがほとんどありません。
その為、現実世界で走る時に発生している「抵抗の量」がリムハイト50㎜並か、それよりも優れているんじゃないだろうか?
と正直に思えるほど、春先の風の強い淀川河川敷も敢えて走ってみる事でソレを感じました。
風むっちゃ強い中走って医科大~さくらであい館の間のセグメントでPR更新ですよ…。
そして、加速性も抜群。
下りのコーナリングも抜群。
トラクションも良い。
ラチェットEXPに進化した事で、インターナルメカが変わりました。
元々スターラチェットの片割れが居たところにベアリングが移動し、ベアリング間のスタンスが拡がっています。
これにより、機械的な剛性は15%UPしているそうですが、体感ではそれ以上じゃないだろうか…。と思えるほど、ガッシリと路面を支えますし、駆動剛性も上がっているんだろうと思います。
ハブ本体の進化にも助けられた上で、TREKのOCLVカーボン技術も相まって優れた強度と剛性を持つリム。
そして軽量化と空力重視のあまり、最近の業界トレンドではスポーク本数をとにかく減らす方向ですが真面目なBontragerは頑なに24本構成。
昔の32本構成よりは随分少ないですが、それでも24本ある事で綺麗に応力が分散されているのもあるんでしょうね。
とにかく軽い。
走りが軽い。
そしてリムが軽い事により発生するネガがない。(巡航性が悪くないどころか予想を超えて良い。)
ダウンヒルの「自身を持って安心して出せる速度」がROVAL改で底上げされて私の中での領域が拡がりましたが、それをあっさりと更新。
むっちゃ速く安全に走れる。…しかし、安全に留意して速度を控えます。サーキット走るレース出てみようかなwと考えちゃうほど、凄く速い。
これは、フレームもMadone SLRの為…ホイール性能が高いのは確かですが、どこまではホイールでどこからがフレーム性能なのかは私にもわからないので、ラチェットEXP用のシマノフリーと、アルテグラ28-11Tのスプロケを手配しました。
一度、Allez sprint comp discにRSL37をセットして走ってみたいと思います。
いつもと変わらない感じで踏んでいるのに、巡航速度に達した時に振り返るとライド仲間の方たち(中にはブルべ師匠も居ます)が割とな距離チギれていたのがこのホイールの加速性の異常さを証明していると思います。
シレっと速い。
それって安定しているから、余計に「おやっ!?」とスピードメーターを見て驚く速度だった。という現象に繋がるんでしょうね。
加速は少しもっさりとも言われる事もあるマドン。
RSL37以外では試乗車が装着していた(試乗車はSLR6だった為)Aeolus comp5しか経験ないですが、そんなもっさりしてるかなwとは思いますが、そんなマドンが貧脚サンデーライダーが乗るRSL37装着車両が剛脚な先輩を一瞬とはいえ引き離した…のが凄い事だと思います。
ただ、機材って相性は必ずあるので人によっては「軽すぎる」と感じてイマイチな印象を持つ方もいらっしゃるでしょう。
その辺は難しいところですよね。本当に。
試してみないとわからない世界。
私にとっては、RSL37はやべぇホイールに認定しましたw
夏ごろにボーナス使ってRSL51かRSL62が欲しいですw