日本では、一度着用して気に人らないのに返品せず泣き寝入りという客も多いが、フランス人は「金を使うことにシビアで、悪いものは有無をいわさず返品する」。
そんな国民性に同社の品質は鍛えられた、と長崎は言う。
「通販の手段は多岐にわたりますが、まず商品自体がコミュニケーション。
そこに共感を覚えて買っていただき、きっちり商品でお客と対面し合わなければならない」
マイナスの静電気を発生し、熱を通しにくく、汗を素早く外に追い出す特徴「カシミヤの比ではない」といわれ、気温の低い環境に適し、山岳部の御用達だった。
「腹巻は薬局かダマールで」と相場が決まっているらしく、他のヨーロッパでも暖房があまり効かない住宅環境と、見栄からくる薄着傾向がすでに撤退している。
つねに車で移動し、セントラルヒーティングによって暖かいアメリカでは、保温下着のニーズは低い。
だから、日本でも長崎の故郷、「北海道では売れない」のだ。
「やはり空っ風の北関東で一番売れますね。
北海道は車も寒冷地仕様ですから。
その点、フランス車は暖房の効きが悪くて。
それから、ドイツ人というのはフランス製品を買いません。
その逆もあるでしょうが」
以前から、なにかと複雑な両国の関係が伺える逸話だが、お洒落なフランス発でありながら、日本ではドイツ的な合理主義でサポートに徹し、「競合と喰い合わないナンバー1」とするダマール。
既存のサービスから脱しようと、顧客が住む地域に最も近い山に「雪が降りましたか?」などの文頭で始まるメッセージを送ったり、「表層的でないコミュニケーションを築きたい」と長崎は言う。
カタログのみをツールとするが、「近々、ネット受注体制を整えたい」とも。
新機軸のアウターが受け入れられるのも、その基礎改革の進行次第だろう。