東京電力福島第一原発事故で、福島県内の病院が経営難に直面している。
9割の病院が加盟する県病院協会は、1年間の損害額が少なくとも126億円
に上るとの試算をまとめた。一部の病院は半年分の損害を東電に請求したが、
医師らの退職金などが除外され、支払われた額は、平均で請求の約7割。人員
が減った病院では、入院患者の受け入れ制限などを余儀なくされている。
全域が警戒区域になっている双葉町の双葉厚生病院。レントゲンなどの大型
検査機器や医薬品を残したまま、事故直後から休業中だ。重富秀一院長(61)
と職員は2回、病院に一時立ち入りしたが、診断書などを持ち出すのがやっとだった。
医師は12人から5人、看護師は125人から68人に減った。残った医師らは
系列病院で働いている。
「町自体がどうなるのか分からない。国は今後の見通しを早く示してほしい」と
重富院長。入院患者136人の移送費や、事故がなければ得られた収益など、
8月末までの損害として5億5000万円を東電に請求し、交渉中だ。
県病院協会には、同県の病院の9割にあたる127病院が加盟。協会が各病院に、
原発事故による1年間の損害額の試算について申告を求めたところ、24病院から
計126億円の申告があった。避難費用や、平常時の医業収益などから人件費を
除いた粗利益、休業で使用不能となる医薬品の代金、スタッフの退職金などから
試算した。24病院のうち7病院は警戒区域、6病院は旧緊急時避難準備区域
(9月末に解除)だった。
(2011年12月27日15時31分 読売新聞)