ジャンクションタイプのFETはどの教科書にもゲート電圧Vgsは負電圧しかかけてはいけないとあります。しかしオーディオ関係の自作記事(MCヘッドアンプなど)では、Vgs=0v (ソース接地でソース抵抗も入れていない)として、コンデンサーでカップリングしてゲートに信号を入れている例が散見されます。メルコ社(今のパソコン周辺機器で有名なバッファロー社)の社長さんも昔その手法でアンプを製作した記事をオーディオ誌に掲載しています。でもこれだとミクロ的に見ればVgsに正電圧がかかってしまっています。何十年も自分の中では解決していない課題でしたが、ようやく実際に測定してみることに。石自体は高周波用として使われていた2sk242 廃盤 です。Idssやgmがそこそこなのでヘッドアンプ用にも使えそうです。

で、測定結果はVgsが+0.7vくらいまではリニアに電流変化していました。JFETはそもそもpnジャンクションの応用であり、ゲートとソースは逆バイアスで接続することで空乏層の厚みを制御してドレイン電流を制御していますが、Vgsがいわゆるダイオードの順方向電圧を越えなければ、そこまではたとえVgsがプラスになっても空乏層制御が働いているということですね。